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新しいテキスト  作者: 篠崎 雄作
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新しいテキスト 01

私が彼を保護できたのはある意味奇跡だったかもしれない。


教会に神父、彼との会談中ベルの音で呼び出された男に私は不信感を覚えたのだ。

どこかを気にするかのようなしぐさ。

なにかを我慢しているような顔。

そわそわとしていて落ち着きがなかった。


案の定、少しつついてみたら出るわ出るわ。

隣に座っていた神父があまりのことに唖然としていたほどだ。


「…で、どういうことでしょうか、これは」


「…この、愚か者目が!!!」



それからの行動は早かった。

まず、目の前に座っていた神父の首を絞め意識を落とす。


後から入室した男に関してはすでに恐怖でかってに気絶していたので携帯していた手錠で二人をテーブルとつないだ。


それで、子供が監禁されていると思わしき場所を見つけようと部屋から外に出たところ、先ほどの神父と声を聴き何事かと確認しに来たんだろう。


本来何も、扉もないところから男だ頭を出したのでそのまま突入することとした。


コンクリートで塗装された階段を下っていくとそこにはまた一枚の頑丈な金属製の扉がつけられていた。


耳をすませばまるで叙事のような音、声も聞こえてくる。


バンッ


扉を押し開けると、そこには一人の縛り付けられていた子供と、そして裸になった何人もの男性。



「…覚悟はできているな?」


言葉は多く尽くすまい。

私はあまりのことに怒り狂った。

本来、ひとを救う場所であるはずの教会が、このような子供を監禁しあまつさえ自分たちの性欲のはけ口にしていたとは。


もはや私に理性はなかったかもしれない。

もしかしたら後で過剰暴力として懲罰を受けるかもしれないが、それでもいいと私は頭の片隅で思った。


――――――――――――――――――

――――――――

――――


赤い瞳の人に連れ出されて僕は、久しぶりに外に出ました。

僕の体をなでる風に、抱きしめてくれているような温かさをくれるお日様。

それはあの男の人たちのそれにくらべたらとても気持ちのいいものでした。


この人も僕をあの人たちと同じように〝使う”つもりなんでしょうか。



赤い瞳の人にコートを着せられおんぶをされて、そのまままた知らない建物の中に連れられました。

そこは今までいたところとは全く違ったところでした。


白い建物の中にはたくさんの知らない人たちがいて、笑っている人が大体だったけど中には落ち込んでいる人もいました。


壁も一面白色で統一されていて、あの地下の灰色との差で目がまたちかちかしました。

赤い瞳の人におんぶされたまま僕はふかふかのベッドの上に運ばれました。

知らない人に変な笑顔を向けられていろいろなことを聞かれました。


―痛いところはない?

ーどこからきたの?

―君の名前を教えて


どれも答えることができませんでした。

痛いって何でしょうか。

僕はどこから来たんでしょうか。

僕は、いったい誰なんでしょうか。


逆に僕がそう尋ねるとその、白い洋服を着たおじさんは何かおいしくないものでも食べたかのような顔を浮かべました。


そのあと僕は体の中に小さな針みたいなものを入れられて、なかから赤い液体を取られました。


その人が言うにはこれが'ち’というらしいですけど、おかしいな、と思いました。

僕の体の色は肌色です。

こんな液体が体の中にあるなら僕は赤色の体をしてるんじゃないのかな、って思いました。


しばらくその白い洋服を着たおじさん、田中さんというらしいです、が部屋から出ていき、代わりに少しピンク色の入った洋服を着た女の人が来ました。


こんどはその女の人といろいろな話をすることになりました。

でも、話の途中で僕は疑問に思ったことも聞きました。

さっき、田中さんに聞かれたことについてです。


「あの、僕がだれかあなたはしりませんか?」


困ったような、泣きそうな顔をされたのでそれから僕はそのことを聞くのはいけないことなのかな、と思って聞かないようにしました。


交代しながらひっきりなしに人がやってきます。

度の人たちも似たような恰好をしていました。

みんながみんな、奇妙な笑顔を顔に浮かべていました。


楽しくないのに笑っている顔。

何かを我慢して笑っている顔。

目をそむけるように笑っている顔。


その日僕は久しぶりに体を楽な姿勢にすることができたからか、ぐっすり眠ってしましました。

うつらうつらと、まぶたが落ちかかっていると、そのとき隣にいた人がこうぼそりとつぶやきました。


「かわいそうな子供…」


僕は、かわいそうな…子供…らしい、です…。




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