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魔法少女の光と影  作者: 生姜焼き
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じゃれ合う一時


「それと他の住人はその内向こうから顔を出すじゃろう、人間不信気味じゃが魔法少女であれば心開いてくれることもある、ここですごしていれば出会う日も来るぞ。」


 そう付け足して話を切り上げた、彼女達も会えない訳ではないらしい。


「他に質問はあるかの。」


「ないです。」


「ないですね。」


 特に思いつかない、今は気になることも特にないな。


「そうか、では儂は部屋に戻るからの、何か気になった事があれば玄関横にある管理人室におるからいつでも来るとよい。」


 そそくさとアカリさんは玄関に戻る。


「またの。」


 ぱたりと扉が閉まる時に軽く挨拶して静寂が訪れる、案外忙しない人だろうか。


「おばあちゃん忙しくて家にも滅多に帰ってこれませんでしたからね、家にいてもせっかちな所もあるんです。」


「そうなんですか……」


 ヒカリが一息ついて椅子に座る、溶けたようにぐでーっとリラックスしている、こう言う所はあまりアカリさんとは似ていないのか。


「取り敢えず入院は早めに終わりましたしゆっくりしましょう、丁度良いことにお休みです。」


 明日はクリスマス、学校は冬休みに入るかな、おれはもう学校にも居ない訳だが……


「どうしましょうか?」


「慌てなくて良いんですよ、傷は癒えましたが心を休める時間はまだまだありますから、落ち着いて行きましょう。」


 ヒカリはこちらを見て笑いかける、まあそうか、おれなんて学校にも行っていないヒカリがいないと生きてもいなかった社会から逸れたゴミ人間だ。


「さあ、エイナも座りましょう!お疲れでしょう!」


「え……あの………?」


「さあ遠慮なくどうぞ!」


「どこに?」


 椅子は一つしかない、その椅子もヒカリが座っている、床にでも座れと言うのか。


「ここですよここ。」


 ポンポンと太ももを叩いた、もしかしてあそこに?


「冗談ですよね?」


「大真面目ですよ?」


 首を傾げる、膝の上に座る?おれがヒカリの上に座る?なぜどうしてそうなってしまうのか。


「もう、あんまり困らせないで下さい!」


「あのヒカリが強引にもが……」


 立ち上がってこちらに向かって抱き着いてくる、柔らかい胸の中に沈められ口が埋まる、待って待って本当に待って何してるのヒカリは?


「私が触れたいんですから……言わせないで下さいね?」


 頬がマシュマロのように包みこまれ、背を引き寄せられて、顔を下半分埋めながら見上げる形でヒカリの顔を見る、いつだって綺麗で、下を向いた照明の影に意地悪な笑みと金色のを覗かせるのだから心臓に悪い、手を伸ばせば届く距離で抱き止められるとこんなにももどかしいものか。


「ははひへふははい……」


「聞こえませんよー?」


 より強くぎゅーっとされて離れようと腕をジタバタさせてもびくともしない、ち、力の差が歴然だ、このままでは胸の中で溺れてしまう!


「あはは、くすぐったいですよ、もう邪魔するならこうです!」


「んえ!?」


 ヒカリが離したと思ったら今度はおれの胸に抱き着いて来た、お腹にちょうどヒカリの胸が当たる。


「軽過ぎますよエイナ!」


「ちょっと!」


 畳み掛けるようにお尻を片手で持ち上げては背中を支えて持ち上げる、ふわりと足が浮いた中、グラグラして思わず肩に抱き着く。


「怖いです!」


 突然地面から離れる事を人間は想定していない、何事もいきなりは怖いんですが!


「あはははは!ごめんなさい!」


 ヒカリはただ笑いながら抱っこをやめない、反省してないってこれ、口だけで謝罪しても駄目だからな……!


「謝ったらいいってもんじゃないですけどね?でも、でも今回だけは許しますから……」


 しかしおれは寛大なので慈愛を持って許す事にする、そこまで狭量な男じゃない……今は女だけど。


「……満足してきました、解放します。」


 そこから噛み締めるように、抱っこし続けて幾ばくかの後、晴れやかな顔でそっと下ろしてくれた。


「そんなに触りたかったですか……」


 膝をついて手で顔を隠す、思い返すだけで恥ずかしい……抱き着かれた時のドキドキが頭によぎり顔が熱くなる。


「エイナが恋しいことはありますよ。」


 平然とそういう事を言うのだからより一層赤くなってしまう。


「今までずっと一人で生活してましたので……伯父は年に会うか会わないかですし祖母は中学に上がると忙しくなってあまり会いませんから……」


 静かにヒカリが語り出す、彼女は今どんな顔をして話しているのだろうか。


「一ヶ月前、その家の孤独を全部エイナが埋めてくれたんですよ。」


 今となっては懐かしい出会いの話だ、魔法少女となったおれとヒカリが偶然一緒に住むことになった。


「たまたまです……」


「そうかも知れません、ですが私は運命的に感じましたよ?」


 おれには分からない。


「家も家族もいない魔法少女、あんまり表に出してませんでしたが聞いていた時びっくりしました。」


 確かに人として何もかも失って魔法少女である事が残された人間はおれくらいだろう。


「エイナを家にあげるのは私のエゴでしたけど、今では大正解です。」


 ヒカリと出会わなければおれは野垂れ死にしていただろう、死ぬ気などさらさら無かったが、人に迷惑かけるなら死んだ方がましだ。


「エイナが居なければ死んでいましたから。」


「違うよ、助けられたのは……」


 おれなんだよ。あの夜、マジルガと戦って、守ってくれたのはヒカリだから、生き残れたよ。


「……まあ奇跡かもしれませんが、二人で居たから乗り越えられたのでしょう、どっちがとかでなく。」


「そうですね……」


 ヒカリからの信頼に小っ恥ずかしくなって手を顔から離せない、この上なく顔は赤くなって人には到底見せられないな。


「ここに来るまで言わなかったんですが夜神さんが言ってましたよ。あのマジルガ倒すなんて良く頑張ったねと。」


「そうですか。」


 伝説の魔法少女も褒められるとはむず痒い、おれはもうどんな顔をすれば良いのだろうか。


「しかし夜神さんは何かあのマジルガについても知ってそうでしたが……秘密主義も今更ですね。」


 ため息が聞こえた、おれは何も言えないな。


「さてエイナ成分を補給しましたしなにをしましょうか。」


 おれにそんな成分はない、ヒカリも戦闘だと頼りになるが……いつぞやのお風呂の時もそうだがときどきおかしくなる。


「……ねえ、その顔、見せて下さいね?」


「んひゃあ!」


 顔を隠していたから気付かずに耳元に息がかかる距離で囁く、思わず腰が抜けてぺたんと座り込む。

全身から力が抜けて女の子座りをして赤くなった顔を隠せずドギマギしている。


「可愛い顔してますよ?エイナ。」


 いつもと違う少し低い声で褒めてくる、これは、駄目だ、とにかく駄目、今のおれの顔は林檎の様に耳まで真っ赤だろう、恐ろしいほど良い顔に笑いかけられて心臓が爆発したようにうるさい、落ち着け落ち着け落ち着けおれ、今は目をそらして……


「一緒に冬休みの予定を立てましょう?」


 逃れようとしていたのに、ヒカリはおれの顎を引くとちゃんと見つめ合う様に向けてくる、心がおかしくなったのか乙女回路がショートした。


「きゅう」


「エイナ!?あのエイナさーん!?」


 そこからの記憶はない

だらしない作者ですまない……

シチュエーションを決めるのも大変だ

ヒカリ視点都合が良すぎるエイナ

チョロい

壁ドンしたら死ぬんじゃないか

暫く日常です

今日か明日の十二時にまた更新

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