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魔法少女の光と影  作者: 生姜焼き
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極楽の魔法少女のためになる話


「いたずらに魔法を使わないでおばあちゃん!」


 今日一大きい声で抗議するヒカリ。


「すまんの、もうやらん。」 

 

 孫に怒られてシュンとするアカリさん、しおらしくすると姿が小さく見える。


「ここにいるのもあれじゃし部屋に案内するのじゃ……」


 とぼとぼとおれ達を先導しているが、その背中にはとても哀愁が漂っていた。


「ここがお前さん達の部屋じゃ。」


 真っ白な廊下を進んで突き当たりの部屋、ネームプレートにはエイナとヒカリの名前があった。


「二人でですか?」


「2LDKじゃから十分広いぞ、二人でも大丈夫じゃ。」


 ガチャリと扉を開ければ確かに広い、あまり物は無いからかすっきりとしている。


「なかなかいいじゃろ?質問があれば受け付けるぞ。」

 

 アカリさんが靴を揃えて上がり、リビングの椅子に腰を据える。


「何でも良いですか?」


「何でもよいぞ。」


「何でそんな若いんですか?」


 普通にそれが気になる、老化が止まる魔法少女になったのは最低でも三十年前、少女とは呼べないぐらいだろうが……


「まあそうじゃな、儂がこうなったのも事故みたいなもんじゃ。」


 すんごい遠い目をしている、それにヒカリも苦笑している。まあヒカリは知っているか。


「三十年前はもうアラフォーじゃ、身長は低かったが成人女性じゃったしちゃんと顔も童顔じゃったがハリのないババアじゃった。」


 眉が下がりながら嘆いている、懐かしんでいるには困っているなあ。


「魔法少女とは無縁じゃったがいたんじゃ、人を魔法少女にしてしまう魔法少女が。」


「なんですかそれ?」


 聞いた事がない、そんな人がいたのか、凄いとんでもないことしていないかそれ。


「始まりの魔法少女、名はセイナ、歴史に残らんかったが知ってる人は知っておる、三十年前の魔法少女には彼女に魔法少女にしてもらった人がいるのじゃ、もちろん儂もその一人じゃぞ。」


「そんな魔法少女たくさんいなかったのは何でですか?」


 そんな事できるならこの世にもっと魔法少女がいてもおかしくなさそうだ。


「さあの、そこら辺は知らなんだ、限界があるかの……儂は詳しく知らないのじゃ、なんせあったのは一度きり、()()の後はなーんにも分からん。」


 アカリさんはお手上げとして首を振る。


「なんの事件があったんです?」


 重要そうな事件だ、三十年前に何があったのだろうか。


()()()、知らんのじゃ、分からないではなく知らん。」


「何ですかそれ。」


 肩透かしの返事、知らないと断言する。


「分かるのは三十年前、黒咲夜神が世界を救って伝説となった夜の事件と言うだけじゃ。」


「ちんぷんかんぷんです……」


 黒咲夜神は世界を救った事件と関係があるのか。それが何だというのか。


「当事者以外なんにも知らん、セイナとヨルカと……儂の娘のマヒル以外世界の誰も知らん、確かに世界は救われたのじゃが。」


 遠く、遠くを見ているようで何かが分からない。

ヒカリさんの家族に叔母もしくは伯母はいないと言った、つまり生きていないのだろう。


「ヨルカ以外帰ってこなかったからの、この事件はヨルカに聞くと良い、一等星以外は知らないと思うがの。」


「あのそれって。」


「魔法少女の秘密と言う奴ですエイナ、一等星の魔法少女しか知らない大事な秘密ですね。」


 ここでヒカリが口を出す、おれが協会に行った時、ヒカリと夜神さんがそんな事を言っていた気がする。


「まああれから魔法少女になり、活動していく内にどんどん若くなりいつの間にかこんな事になっておったわい。」


 それ以上は知らないと話を終わらせた。


「健康診断でも小学生並みと言われては困るもんじゃ、酒も買えんしタバコも吸えん。」


 流れで苦労話が始まる、ちゃんと肉体も小学生ぐらいらしい。


「健康ではある、肉体は不老と言うのもおかしいのじゃがいつ死ねるかのう。」


 悩みも結構シャレにならない事だった。


「魔法少女として生きるのも大変ですね。」


 ヒカリもずっと苦笑していたがアカリさんの話に目を瞑る。


「まあこの話はこんなところにしておくかの。」


 じゃあ次の質問どうぞと手をやる。


「それじゃあ、私達以外は誰が住んでいるのですか?」


 ヒカリはこの広い部屋がたくさんあって住んでる人が気になったよう。


「当然管理人の儂も住み込みじゃが、五人程住んでおるよ。」


 少なからずいるようだ。


「ネームプレートがチラリと見えましたがどんな人なんでしょう?」


「あー気にするのはよい会うのはがやめといた方がよいぞ。」


 忠告と言うか提言、何か理由がありそう。


「何でです?」


「この極楽塔がどんな所か聞いておるじゃろ。」


「秘密の避難所と聞きました。」


「そうじゃ、ここは一般人の知らない場所、魔法的に隠されておるし、そんな所に住むなど訳ありに決まっておろう。」


 確かに言われて見ればここは仮住まいとして紹介されたものだし、住所も分からない場所に住み続けるのもあれだ。


「世間で狙われる者、社会で生きて行けん者もおる。」


「そんな人いるんですか。」


 衝撃だ、日本でそんな人はごく僅かだが、魔法少女の少数にもいるのか。


「社会基盤を揺るがす魔法などは悪い組織に狙われることもあるからの、表立って生きていくには辛い者もおる。みんな知らない人は苦手じゃ。」


「怖い。」


 平和な日本でそんな事が。


「その為のここじゃ、三十年前魔法少女が悪用されるのを防ぐ為作られたからの。」


 以外にも歴史があった。


「それに住む人も昔より随分減ったよ、まあヨルカが犯罪に利用しようとする者を徹底的に潰したからの。」


 夜神さんは凄い人だ、魔法少女協会を作り魔法少女をここまで団結させ、魔法少女の生きやすい世の中を作った。


「それでも狙うバカもおるからここにおるが、安心せいお前さん達、ここにおる限りマジルガだろうがなんだろうが守ってやろう。」


 アカリさんはにっこり笑う、マジルガに狙われたおれ達にも大丈夫と言う、あまりにも頼りになる人だ。


ギリ遅刻

わりかしの秘密を言うのじゃロリババア

ヨルカさんは協会のやることに口を出すなと政府を脅し……交渉して黙らせてます

明日更新

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