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旅立ち


翌日。



セリとフィリアはギルドの前で、リッタとリアに見送られていた。



リッタ達は、悲壮混じりの不安そうな表情で、二人のことを見つめていた。





「じゃあね。また帰ってくるから」




セリは、リッタにそう語りかける。




「帰りを必ずここで待っています」


「うん、絶対戻ってくる」




セリはそういうと、リッタに抱きついた。



「セ、セリお嬢様……」




リッタはしばらくの動揺のあと、セリを抱きしめ返した。



しばらくや間「もう、満足した」とセリは言うと、リッタから離れた。




「今までお世話になりました」 



フィリアは、二人にそう感謝の気持ちを伝える。



「セリお嬢様の事はお任せしますね」


「ええ、任されました」



リッタとフィリアは、そう微笑みあった。



「セリちゃんもフィリアちゃんも気をつけてね……」



そう声に出したのは、リアだった。


この中でも、内心はどうあれ、二人の事を最も心配そうにしているのは、外観上は彼女だ。



その問いに、セリとフィリアの二人はただただ頷いた。




「それじゃあ……行ってくる」





そうして、二人はその場から歩み出した。



馬車に乗って、ギレア公国方面を目指す予定だ。



フィリアとセリは、二人が見えなくなるまで手を振り続けた。



死んでも必ず帰ってくる――セリは胸の中でそう強く誓った。





馬車の乗り合い処まで向かう道のりで、フィリアが口を開いた。



「そう言えば、昨日変わった人から魔法石を貰ったんです」



フィリアはそう言い、懐から魔法石を取り出してセリに見せる。


昨日のうちにこの話をしようとは思っていたのだが、予想以上に荷造りで忙しくその暇がなかった。



「変わった人? それは魔法石って貴重なものなんじゃ?」


「魔術師らしい人が、人酔いしてうずくまってたんです。それで、人通りの少ないところまで案内したんでけど――そのお礼と言われ貰ったんです」



フィリアの手の中に治っているのは、赤色の魔法石だ。


恐らく火属性の魔法を扱えるものであろう。



ともかく、フィリアにも自衛手段はあって欲しいところだった。


あの魔法石と槍があれば、それなりのアクシデントには対応できるだろう。





二人が話していると、数多の馬車が停車している乗り合い処に辿り着いた。






開けた広場には、馬車が列になって並べられており、行き先の立て看板が荷台に立て掛けられていた。



二人が乗ろうとしているのは、ギレア公国の国境沿いの街――フェル・ゴール行きの馬車だ。



辺りを暫く見渡していると、すぐにフェル・ゴール行きの馬車を見つける。




「この馬車に乗りたいんですが、空きはまだありますか?」



フィリアが、すかさず御者を男に尋ねた。



「ああ、大丈夫だ。料金は二人で銀貨四枚だ」



そう言った男に、二人は四枚の銀貨を渡し、馬車に乗り込む。



「それでお嬢さん達は、フェル・ゴールまで?」



男の問いにセリは答える。



「その先、ギレア公国まで」



その答えに男は少しばかり、驚いた表情を見せた。



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