表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/49

再会



宿を追い出されたセリとフィリアは、通路を真っ直ぐと歩いていた。


日中は、人で溢れていたこの道も一度夜になれば、めっきり人通りは少なくなる。



両脇に立ち並ぶ雑貨店や青果店などは、完全に閉まっており、昼間の喧騒さはそこにはない。



強いて言うならば、酒場から漏れる光と笑い声がちらほらと聞こえてくる程度だ。





にしても、身体中から葡萄酒の匂いがする。それにベタベタで、不快感だとてつもない。



替えの服も持っていないので、どうにかしたくても出来ない。


衣料店は既に閉まっているだろうし、どうにもできない。




「す、すいません……セリさん、私のせいです」



フィリアは申し訳なさそうにそう話しかけてきた。


先程の父親デスタの件で、迷惑を被ってしまった事を申し訳なく思っているようだ。



「別に、フィリアは悪くないし。あと、この街で働き口を探すのはやめにしよう」



まさか、フィリアの父親があのような吐き気を催す程の邪悪とは思っても居なかった。



フィリアをこの街――ロ・ランブルに安心しておいていけない事がはっきり分かった。



「ごめん……全部私の理解不足だった」


「い、いえ! 助けていただいただけでも、返しきれない恩を貰っています!」


「暫くしたら、この街を出る。もう少し遠い街まで送っていく」


「セリさんっ……」




フィリアは深く頭を下げる。



「本当にありがとうございます。貴方のお陰でまともに生きれる気がします」


「まぁ、そう言ってくれると……嬉しい、のかな」



セリはそこまで感謝しなくても――と内心思う。




「ともかく、今日泊まる場所を探さないと、後は洗濯もしないとね」




今から宿泊できる場所を探すため、歩みを進める。


暫く辺りを見渡しながら進んでいると、目の前から見慣れた人物が歩いてくる。



「セリお嬢様……?」



その見慣れた人物とはリッタだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ