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【一章完結】一欠片の勇気から始まるうさ耳少女の冒険〜今世こそ勇気を振り絞って友達を作ってみせます!!〜  作者: 氷河の一輪
第1章 金色の悪魔

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第71話 三聖武道祭⑤

 まだいろいろなことが頭の中でぐるぐると渦を巻いている。だけど、その中で一際強く脈打つ想いがある。



――強くなりたい



 強い力がなければ何も出来ない。理不尽な力によって自分の大事なものがねじ伏せられようとも、壊されそうになっても、何も出来ない。

 ”力こそ正義”。強ければ何をしても良い、正当化される。そんなものがあってたまるかと思う。だけど……実際はそうなんだ。

 力が強ければ人を従わせられる。罪を犯してももみ消せる。

 たとえ法によって人を支配したとしても、強大な力を持つ者が謀反を起こしたら? 法はひっくり返される。

 結局は力が正義なんだ。

 皆が納得できる答えなんてありやしない。対立が始まってしまったら最後に物を言うのは法じゃない。言葉でもない。力なんだ。


 力なんて理不尽だ。努力したって超えられない壁が力にはあるんだから。

 その理不尽さに吐き気がする。そんな不条理さを捨てたくなる。

 それでも、私はそれに耐えなければいけない。だって、この世界に生まれて、友達が出来てしまったから。



「――くっ」



 身を翻して炎魔法を避ける。完全に避けても、熱気でどんどん体力が削られていく。


 今のナイトの総合戦闘力はだいたい2000。対する私は1300。前ほどではないけど……絶望的な差がある。

 シャルマンの時とは違って、瞳の開花は期待できない。正真正銘、今の私の力でナイトを倒さないといけない。


 ここで勝てなければ大三賢者になれない。それに……シーちゃんに、私の強さを証明することが出来ない。


 友達に強さを信じてもらえないのはめちゃくちゃ辛い。もしかしたらアムールとの件で少しトラウマになってるのかもね……。

 友達にだけは信じてもらいたい。

 シーちゃんより圧倒的に弱いかもしれない。それでも、私でも友達を守れるんだよって伝えたい。



「――ッ!!」



 着地した瞬間を狙われ、炎魔法が直撃する。あまりの熱さに悲鳴が出てしまう。


 今はまだ弱い。でもいつか成長すればきっと強い力を手に入れられる。筋力もつく。コツコツ修行すればスキルのレベルだって上がる。

 でも……でも、それじゃ駄目なんだ。

 欲しいのは今なんだっっ!! 今じゃなきゃ駄目なんだ!!


 なんの代償もなしに強くなれない。裏を返せば大きな代償を払えばより強力な力を手に入れられる。代償を払う術があればだけどね……。

 だから、アムールは寿命を代償に強大な力を手にした。私は前にそれを非難した……けど、今やっとアムールの気持ちが分かった気がする。


 本当に……本当に友達が大好きなの。

 自分の生命すら投げ捨てられる。友達のためだったらなんだって出来る。



 だから―――私はこれを懸ける。



「――!! 魔力が急に跳ね上がった……?」



 魔境の森でデュランタさんに教えてもらったこの法術は、体(・)力(・)値(・)を魔(・)力(・)へと変(・)換(・)することが出来る。

 体力値が0になれば……死ぬ。だけど、だからこそ、より大きな魔力を得られる。多分、この術を知っている人間は私だけだと思う。この法術は魔境の森の魔物の秘技だからね。

 私はアムールみたいなユニークスキルは持っていない。だからこれ以外の代償を払う術を知らない。だけど、この法術なら魔力を爆発的に上げることが出来る。


 これで最大出力の【煌炎(ブレイズ)】を纏ってナイトに攻撃だ!!

 残り少ない私の体力を限界ギリギリまで燃やしたこの攻撃で必ずあなたに勝ってみせる!!


「――【煌炎(ブレイズ)】――ッ!!」


 今まで以上に【煌炎(ブレイズ)】が眩しく輝き燃え上がる。身体中から力が漲ってくる。


 この一撃が私の正真正銘最後の攻撃。失敗すれば……

 右手に全神経を注ぎ力を溜める。



「俺も……奥義を見せましょう」


 ナイトは刀を構える。銀色だった刀身が紫色に変わっていく。


「――っ」


 凄まじいオーラ……。これを喰らえば確実に死ぬ。あまりの威圧感に怖気づく。

 ……ここで、諦めるわけにはいかないんだ!!


 【煌炎(ブレイズ)】が一際強く輝く。


 ここで、負けるわけにはいかないんだ!!!!


「――はぁっ!! ――【陽焔裂爪(フレイムスプリット)】――!!!!」

「――【黒影一閃(ナイトレイヴン)】――!!」


 両者の刃が激突する。

 それにより生じた強風に観客は悲鳴をあげる。


―――ガキィィィン


 刃が折れた音がした。

 折れたのは……ナイトの刀だ。


「はぁっ、はぁっ、……負けを認めてください」

 座り込んだナイトの首に刃を立てる。

「……参りました」


 勝った……? 今、負けを認めたよね? 私勝ったよね??


「勝者、パープ!!!!」


 やったぁぁぁぁああ!!!! じゃあもう私、大三賢者確定なんだ!?

 よぉっし、よく頑張ったよ私!! ほんとに頑張った!! こりゃ〜自分へのご褒美にキャロッティたくさん買わなきゃね!!


「待ってください」


 闘技場を降りようとしたとき、ナイトがそれを止める。

「僕ではシーのことを救えなかった……でも、太陽のようなあなたなら、きっとシーを救えると思います。シーのこと……よろしくお願いします」

「……うん」


 何となくナイトの言いたいことは分かった。シーちゃんはどこか危(・)う(・)い(・)。その危うさ、私なら救えるってこと……? ……自信はない、でも、私のできることなら何でもして、絶対に助けてみせる。


「ナイトも、諦めないで最後までシーちゃんを助ける努力をしなさいよ?」

「! はい」


 人は多ければ多いいほどいいからね。

 ひとまず、一旦今後のことは忘れて勝利に酔いしれるとしよう。

 勉強に集中できたお陰で物理1位とれましたっ‼

 これからは週1ペースに戻していこうと思います。余裕があればもう少しハイペース更新していきたい……です。

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