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一欠片の勇気から始まるうさ耳少女の冒険〜今世こそ勇気を振り絞って友達を作ってみせます!!〜  作者: 氷河の一輪
第1章 金色の悪魔

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第70話 三聖武道祭④

 リバーの言っていたこと……あれはどういう意味だったんだろう?

 審判によって私の勝ちが宣言された後も、待合室に戻った後も、ずーっとぐるぐるその言葉が頭の中で反響している。


 ウィンが死ぬ姿を見たくない……? もしかしてウィンも()()しているのかな?


「――!!」


 一度()()()()に気付いたら、ずっとはまることがなかったピースが一気にはまるように、全ての辻褄が合っていく。



『雪の精霊は前世の記憶を覚えてるらしいぜ』


『ねえ、この場所を見て何か思い出すことない? 懐かしいなぁとか……』

『ん? 初めて来た場所だしなぁ……』


『……でも、月が欠けてる……』


『僕は二度と、ウィンの()()姿()を見たくない……』



 ああ、そうか。ウィン……君も私と同じ()()()なんだね。それに、シーちゃんやリバーも。

 私の転生とは少し違うのかもしれないけどね。私は別世界から、ウィン達はこの世界の中での転生。


 もしかしたら、リバーが創造神様を憎んでいるのは何度も転生してしまうから……? その転生の中で、何度もウィンの死ぬ姿を見てしまったのかもしれない。


 そして……ウィンは今回の転生で何らかの理由により記憶を失った……? だからシーちゃんはウィンのことを知っていたけど、ウィンはシーちゃんのことを知らなかったのかもしれない。



 ……分からない。私がいくら考察したって本当のことは知りようがない。

 シーちゃんに直接聞くのは無しだ。リバーのあの怒りよう……もしかしたら前世でウィンは無残な死を迎えたのかもしれない。

 そうだとしたら、私が無神経にも『シーちゃんも転生者?』とか聞いたら嫌なことを思い出させてしまうかもしれない。もしかしたら絶交されちゃうかも。そんなの嫌だっ!!

 万が一のことがあるから、自分で答えを見つけてみせる!!


 そうだっ!! 王族の許可を得た人か、大三賢者のみが立ち入ることが出来るエトワール大図書館に行けば何か分かるかもっ!!

 そこには大魔法や忘れられた歴史が記されている本が保管されてるって言われている。

 そこにもしかしたら雪の精霊について何か書かれているかも……。


 いよっし、また大三賢者にならなきゃいけない理由が増えたねっ!!


 やる気倍増!! 次またリバーみたいなクソ強な敵が来たって、もう怖気づかないぞ!! どんな敵にだって勝ってやる!!


 ……と思ってた時期がありました。



「――【灼熱弾(ヒートバレット)】――!!」

「ひぃやぁぁぁああっっっ!!」


 リバーと戦った後は3人の対戦者と戦った。正直言ってこの人たちは拍子抜けするくらい弱かった。いや〜、今までのシャルマンだったりリバーだったりがよっぽど異常だったんだね。

 次の試合で勝てば大三賢者になれる。だから少し調子に乗ってました。


 いつかぶつかることになると思ってたけどね……イケメン君こと、ナイト!!


「反撃はしないんですか!?」

「うわわぁっっ!!」


 出来たらしてるっての!! こんなに炎の魔法をバンバン使われたら反撃出来る隙が無いって!!

 ……でも何か変だ。こんなに魔法を使ってるのに、一度も私に直撃していない。何か企んでるな……?


「……――【紫焔球(ヴァイオレットフレア)】――!!」

「――ッ!!」


 さっきとは比にならないほど大きい火の球……!! これじゃあほとんど逃げ場がないじゃないか!!

 紫色の禍々しい炎が迫ってくる。なんとか開花させようと感情を昂ぶらせる……だけど……


「――っ、だめ……」


 何で……? 感情を爆発させるのがトリガーじゃなかったの? このままじゃ本当に負けちゃう。

 少しでもダメージを軽減させようと腕をクロスさせ頭を守る。そして炎が直撃する。


「……?」


 あ、熱くない……?

 辺りを見渡すとナイトもこの炎の中に居た。


「ごめんなさいパープさん。こんな手荒な真似してしまって……。この炎は幻覚なので存在していません。なので安心してください」

「……は、はぁ」


 よく分からないけど、これは深淵魔法で作った幻覚ってこと?

 ……どうやらこの炎の幻覚のおかげで観客から私たちは見えないみたい。


「貴方はこの前、俺の傷を治してくれましたよね?」

「え? あ、はい」

「あの傷、ずっと治らなくて大変だったんです。ありがとうございました」

「どういたしまして……」

「だから俺はこの試合で貴方を勝たせるつもりです」

「……えっ?」


 まさか腕と足の傷を治したくらいでこんな倍のお礼をしてくれると!? 本気!? いや〜、やっぱり人助けってするべきだねぇ〜。


「それに、シーにもお願いされてますし……」

「ん?」

「いえ、なんでもありません」


 今、シーってワードが聞こえてきたんだが……。もしかしてだけど、これはシーちゃんが根回しした?


 なんか……なんか……嫌だな。


 それって、私がシーちゃんに信用されてないってことでしょ? このままじゃ私が負けるって思ったからナイトに負けるよう言った……?


 流石にナイトみたいな強い人相手なら仕方が無いかもしれない……でも友達にだけは、“どんな困難でも必ず勝ってくれる“って信頼されたい。

 もうアムールのときみたいな想い、絶対にしたくない。

 だから――


「私は本当の意味で貴方に勝ちたい。だから、ヤラセなんかじゃなくて……本気で戦ってください」

「……本気で言ってますか? 俺の総合戦闘力は……」

「軽く3000を超えてるんでしょ? 【鑑定】をしたので分かります」

 ユニークスキルの【真実の鑑定】とは言ってないから、相手が魔族関係者って知っちゃってるってことはバレないはず。


「……分かりました」


 ナイトは私の目を数秒見つめた後、ため息をつきながらそう答えた。


「……【宵闇の帳(シャドウディザピア)】……」


 小声過ぎて聞き取りづらかったが、うさ耳のおかげで何とか聞き取れた。

 ナイトのユニークスキル、【宵闇の帳(シャドウディザピア)】……それを唱えた瞬間、ナイトの強さが激減する。高くて2000くらい……?

 なんとなく、ユニークスキルの効果が分かったかも。ステータスの()()()()()()ことが出来る……そんなとこだろう。え、何それめっちゃ強いじゃん。

 弱体化することも、見た目だけを偽造することも出来る。多分……逆も然り。ある程度強化することも出来るんだろう。


 今回は弱体化を使った。通常状態のままだと私と勝負にすらならないからね。だから私よりかなり強くて()()()()強さの2000に設定したんだろう。

 こっそり私に隠してそれを使うのがなんか……癪だなあ。向こうは私に気を遣ってなんだろうけど。


「では幻術を解きます」

「うん」


 炎の幻術が解かれ、観客の姿が一気に見えるようになる。私は観客席に居るシーちゃんのことを挑むようにジッと見つめる。

 シーちゃんはまだ、私の強さを信用出来ないんだよね? だったら……ここで証明してみせる。私はシーちゃんに守られなくったって大三賢者になれるってことを!!!!

 そこで見ててね。

 先週も投稿出来なくてごめんなさ〜い!!

 本当に忙しくて…来週も厳しいかもしれないです。お詫びに今回の話は多めにしときました。

 埋め合わせはします!!待ってて欲しいです!!

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