表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一欠片の勇気から始まるうさ耳少女の冒険〜今世こそ勇気を振り絞って友達を作ってみせます!!〜  作者: 氷河の一輪
第1章 金色の悪魔

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
76/77

第69話 三聖武道祭③

 ちょっと待ってよ……。このステータスは本当にヤバい。イケメン君――ナイトのステータスを軽く超えてる。

 それに種族が雪の精獣……? てっきり、狼獣人かと思ってた。

 精獣っていうのは、協力な精霊だけが持つことが出来る従魔のようなもの。精霊が持つ力は主人である精霊の力に比例するって聞いたけど……雪の精霊はウィンだ。ウィンはこんなに強くなかったはずなのにどういうことなんだ……?



『それでは試合開始‼』



 ヤバい、始まっちゃった!! どうしよう、前の試合とは違って作戦も心構えも準備出来てないよっ!!


「あの……パープさん」

「……は、はい?」


 相変わらず何かに怯えているように身体を震わせている。私の名前を呼んだ後、何度も何かを伝えようとしてくるけど、言葉になっていない。

 えーっと、何を伝えようとしているのかな? お願いだからちゃんと喋ってくれ!!

 相手も私に何も伝わっていないってことが分かっているようで、何度も言い直している。

 が、頑張れー!


「……――あっ」


 何かを思い出したかのように声を上げ、服の中からお面のようなものを取り出す。


「――ッ!?」


 お面を付けた途端、相手の雰囲気がガラリと変わる。凄まじい殺気、怒り、負の感情が肌にビリビリと伝わる。

 あのお面は……般若だ。


「前に会ったときにも気づいていましたが……貴方には僕の大嫌いな人の匂いがこびりついています」


 ……はい? それってさ……わ、私が臭いってこと……?


「僕だけに関わるのならまだ良かった。でも……でも、貴方がウィンに関わるのなら別です。もう、ウィンに関わらないでください。僕は二度と、ウィンの()()姿()を見たくない……」


 リバーは顔を下に向けながらそう語る。その顔は見ていてこっちまで胸が締め付けられるような……そんな悲壮感に満ちていた。

 ウィンが死ぬ姿を見たくない……? それって一度、ウィンは死んでるってことじゃん……。どういうこと? そんなの嘘だ……でも、あの顔はとても冗談を言っているようには見えない。


「誓ってください。もうウィンには近づかないって」


「……」


 ウィンに近づかない……? それって、もう会っちゃだめってこと? そんなの……そんなの……


「嫌だ」


 誰かに言われて友達をやめるだなんて、私の気持ちはそんなに軽いものじゃない。友達のためだったら何だって出来る、命だって懸けられる。大好きなの!

 ウィンが不幸になる? 死ぬ? そんなの、私が許さない。私がウィンを守ってみせる!!


「……そうですか。なら……怪しい芽は摘むしかないですね」


「――くっ」


 リバーは顔を上に向け、私を見下ろしてくる。途端にさっきまでとは比べものにならないほどに強烈で激しい殺気が放たれる。


 ちょっと待ってや! この調子でいくと、私殺されそうじゃないかな!? ご、誤解を解かないと!!


「ちょ、ちょっと待ってよ!! 嫌いな人の匂いって何!? 誰のこと!?」

 まさか……シーちゃん……?


「……創造神です」


 はい、違いました。

 創造神……か。え、創造神様が嫌いってどういうこと?? ま、まあ、匂いの元が創造神様ならなんとか弁解出来るかもしれない!!

 私はこの世界に転生してきた。それはきっと、創造神様が深く関わっているはず!! だから私に創造神様の匂い(?)がこびりついているのもおかしくないんだよ、きっと!!


 リバーは二対の剣を構える。途端、斬られた――と錯覚するほどの威圧感が放たれる。

 恐怖で足が竦む。これほど明確な『死』を想像したことがない。もし相手がその気になったら……二対の剣によって私の胴体と頭は永遠におさらばになってしまうだろう。呆気なく、一瞬でね。

 な、何か言わなきゃ。何か弁解しないと、本当の本当にこのまま殺されちゃう!


「わ、私っ、転生者なの!!」

「――!」


 観客がいるから大きな声では言えないけど、リバーに聞こえることを祈って最善だと思われる言葉を小声で言う。

 恐る恐る目を開けると……目の前に剣を私の首スレスレに構えているリバーが居た。

 あ、危ねえー。あと少しでも遅かったら私……。


「そうか……あぁ、なるほど……」

「……」


 永遠とも思われる静寂。冷や汗が止まらない。

 観客も、鬼気迫るリバーの様子に圧倒されており、終始口を閉ざしていた。誰一人、言葉を発していなかった。


「その魂の形…………貴方も、創造神の被害者なんですね……」


 ……ん? 被害者ってどういうこと?


「首、傷つけちゃってごめんなさい。それと勘違いしちゃったことも」

 言われてから気づいた。どうやらさっきの寸止めで少しだけ首が切れてしまっていたようだ。そっと首に触れると少しだけ指に血がついた。

「あ、いや全然……」


 リバーは般若のお面を外し、深々と頭を下げる。

 な〜んなよく分からんけど、助かったのか……?


「えっと……あのぅ……ウィンには、このこと言わないで欲しいです……」


 さっきと全然雰囲気が違うんですけど!? 何、般若のお面付けると人格変わるんか!?

 勿論、私は断れるはずがない。首を勢いよく振って肯定する。

 機嫌を損ねてたら今度こそ殺されるかも!!


「ありがとうございます……。あ、あの……僕、降参します」


 な、なんとか勝った……のか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ