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一欠片の勇気から始まるうさ耳少女の冒険〜今世こそ勇気を振り絞って友達を作ってみせます!!〜  作者: 氷河の一輪
第1章 金色の悪魔

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第62話 アムールとの再会①

 実は昨日パープの誕生日でした。おめでとうパープっ‼

「あ、アムール⁉」


 フードを深くかぶっているから顔がよく見えないけど……でもこの声、気配、少しだけ見える真っ白な髪、全てアムールと同じ。


「良かった……無事だったんだね」

「パープこそ……また会えて本当に嬉しい」


 アムールと離れ離れになってから5年以上の月日が経っていた。お互い前より大きくなって、そして強くなった。【真実の鑑定】を使ってないから詳しいステータスは分からないけど、すごい強い気配をアムールから感じる。

 ……まだ身長は越されてないね、よしよし。


「パープちゃん、その人は……?」

「あー、えっとね……」

 どう話せばいいものかと考えていると、人混みの奥の方に純白の甲冑を身に纏った騎士たちが大勢いるのが目に入った。何か探しているようだし……何かあったのかな?

 異様な光景に喋ることも忘れて騎士たちを凝視しているとアムールも騎士たちの存在に気づいたみたい。


「――‼ あの騎士たち、多分僕を探してるんだ」

「えぇっ⁉」


 見るからにお貴族様専属の騎士団って感じがするけど……アムールったら一体何をしたんだ?

「だから今は長く話せないんだ。でもどうしてもパープに伝えたいことがあって……あとで公爵家を訪ねてほしい。これを見せたら入れるから」

 そう言って豪華にあしらわられたネックレスを渡してくる。

「いい? 明日にでも来るんだよ?」

「わ、分かった」

「じゃあまたね」


 シーちゃんに一瞥してからアムールは人混みに紛れてどこかへ行ってしまった。


「「……」」


 すぐに行っちゃった。もっといろいろなこと話したかったのにな。

 残されたネックレスを見てみると、そこには教会のマークが刻まれていた。


「なんだろ、コレ?」

「……これは……。――⁉ パープちゃん、これっっ‼」

 シーちゃんはネックレスを見ると驚いたように声をあげる。慌てたように私とネックレスを交互に見ながら()()()叫ぶ。


「聖者様しか持てないネックレスよっっ‼」

「聖者様~~~⁉」


 一体どういうことなの⁉ 確かにアムールのステータスの称号には”聖者”ってあるけど、あるけどっ⁉ このネックレスを持ってるってことはつまり、人間の社会で絶大な権力を持つ教会……その頂点に君臨する”聖者”にアムールがなったってこと⁉

 それに公爵家を訪ねてって……アムールは公爵家の一員ってことなの? あぁ、頭がパンクしそう。


「確か数百年ぶりに現れた聖者様の名前は……アムールだったわ」

「そうなのっ⁉」

「ええ、当時世界中で話題になってお祭りが何日も開催されたわ」

 も、もももももしかしてだけど、私がずーっとダンジョンに籠ってたから知ることが出来なかった……? くっそー‼ ダンジョンにさえ居なければもっと早くにアムールと会えたかもしれないのにっ‼



♢♢♢



「…………」

 スケールが違うな……。

 目の前にはお城かと思うほどでかい豪邸。やっぱり公爵家となると違うみたいだね。ここに本当にアムールがいるのかな?

 今日はシーちゃんとは別行動にすることにした。アムールと長く話したいし、アムールが実は魔物だってことは内緒だからね。

 門兵らしい人に話しかけ、ネックレスを見せるとすぐに中に入れてくれた。


 広くて落ち着かない……けど、思ったより中は質素で少し安心した。想像してた公爵邸はこう……宝石が壁に埋め込まれてたり芸術作品がたくさん飾ってあったりするかと思ってたけど、そんなことはなかった。落ち着いた雰囲気の邸宅って感じ。


 客室で数分待っているとアムールがやってきた。


「お待たせ、パープ」

「アム――って、えええ⁉」


 なんっってことだ⁉ 昨日はフードで顔が見えなかったけど、まさかここまでかっこいいなんて聞いてないっ‼

 昨日は人混みに紛れるよう平民と同じ服を着ていたけど今日は違う‼ 聖者らしい正装だ‼

 神秘的な白髪にキラキラの赤い瞳。垂れているうさ耳‼ 顔面が国宝超えて世界遺産だよもう‼ 美しすぎてなんだか心臓がバクバク鳴ってくる。

 これヤバい。私は自分の顔だったりシーちゃんだったりで”美”に慣れているからこれで済んだけど、他の人がアムールを見たらどうなっちゃうんだ⁉


「えへへ、パープに会うから張り切っちゃったんだ。どうかな……? かっこいい?」

 少し恥ずかしそうに首を傾けながら言われたらもう……

「……満点です」

 もう他に言うことはあるまい。


「さて……本題に入るんだけど、パープは三聖武闘祭に出場するために王都に来たんだよね?」

「うん、なんで知ってるの?」

「僕は公爵家の一員だからね、今年誰が三聖武闘祭に出場するかぐらい覚えないとやってけないからね」

 はぁ~、なるほどね。じゃあアムールは私がどこに居るかとか既に知ってたのか。


「パープは……ステラ王国の王女なんだよね?」

「うん……実はそうなんだ」

 そうか、それも分かっちゃうか。そりゃそうだよね、ここはステラ王国でアムールは公爵家の一員。自国の王族の特徴くらい知ってるよね。


「王族に戻りたくはない?」

「あんな人たちともう一度家族になるなんて、死んでも嫌だ」

 私を殺そうとした人と会いたくもない。私はパープ・ステラじゃない、ただのパープだ。


「そっか、なら率直に言うとパープは三聖武闘祭で大三賢者にならなくちゃいけない」

「え……?」

 変な終わり方で申し訳ないですぅ。

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