第十一節.スイーツパーティー
「深刻そうな顔して、行きたい場所ってここかよ……」
「行きたいなら素直に言ってくれればいいのに……」
結城さんがそういうのも納得だ、なんなら俺も同意見だ。
電車に揺られること一時間、原宿のカラフルに装飾された店の外観を見て佇む俺と結城さん。そして、一人そわそわしている慎也。
「一人じゃ、流石に行きにくいだろうな」
「ですね、流石に一人でスイーツビュッフェは行きにくいですよね」
それだけじゃない、有名な動物キャラクターとのコラボときた。女性人気の高いキャラクターとのコラボも相まって出入りする客は女性がほとんどだ。なんなら、現状目にする客は全員女性だ。
「ガチでありがとう、二人とも!」
大袈裟に腕で目を拭く慎也。
店に入り、席に案内される。
「それじゃあ、始めようか……」
席についてから約十分。騒がしい店内とは裏腹に、静寂に包まれる俺たちの席。その無言を破るかのように、慎也は言葉を発した。
「な、なんだよ……」
「なんですか……」
直後、慎也は勢いよく立ち上がり力一杯拳を振り上げ一言。
「戦争だああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
その叫びを皮切りに、俺たちは散り散りになり綺麗に並べられたスイーツを取りに向かった。
慎也はコラボスイーツを、結城さんはチョコレートを中心に見ている。
俺はというと、まだ何も決められていなかった。
いかんせん数が多い、この中から選ぶのは大変だ。
かれこれ数分、ショーケースに並ぶスイーツと睨めっこをしていた。
断面と表面の区別がつかないほど綺麗なガトーショコラ。
雪のように真っ白なボディに一つ、大きなアクセントを残すショートケーキ。
そして、まるで光り輝く宝石箱のようなフルーツタルト。
あまりにも魅力的すぎる。どれも、普段あまり食べないものばかりだ。陸上の現役の時からの食事制限が癖になって今も食べるものはタンパク質や脂質が多めだ。スイーツを目にすること自体、数年ぶりだろう。
「わ、わぁ……どうしよう」
思わず、情けない独り言をしてしまう始末だ。
同じ場所で立ち止まっているのも迷惑になるため、目に入った三つのケーキを皿に盛り付け二人が待っているテーブルへと戻る。
「みんなお待たせ、多すぎて悩んじゃったよ」
「楓、おせえぞ。もう食べ始めちったぞ俺ら」
皿の底が見えないほど並べられたケーキの数がカウントダウンかのように減っていく。
それに対し結城さんの皿には、同じケーキが四つ並んでいる。数は多いとはいえ同じ種類のない慎也とは真反対だ。
「東雲くん、早くしないと時間過ぎちゃいますよ」
「そうだそうだ、確か九十分だっけ」
「違うぞ、今コラボ期間中だから六十分だけだぞ」
「げ、まじか……尚更急がないとな」
いただきます、と手を合わせ俺もケーキを頬張る。
久しぶりに食べたケーキは、友人たちと食べたからか、それとも少々高めの店だったからだろうか、今まで食べたどのケーキよりも美味しかった。




