第56話 鎮圧作戦始動
更新遅れてごめんなさい…
模擬戦を終え、ついに始まる反乱鎮圧作戦。
ヨウたちはどんな活躍を見せるのか。
模擬戦が終わり、しばしの休息を挟んだ後――。
俺たちはロスの執務室へ集められた。
集まったのは、
ミラ・ヘルディ
ロッゾ・ヘルディ
アリ・ヘルディ
マーカス・ウォーカー
フォード・リーダス
エリック・レイノルズ
ヴィヴィアン・セロン
ジャスティン・シャラメット
メルで暮らす者なら知らぬ者はいないほどの、錚々たる面々だった。
そして――。
メルの反乱鎮圧へ向けた作戦会議が始まる。
「いや〜……。
このメンツがこうして顔を突き合わせるなんてな。
考えたこともなかったぜ」
ロッゾが笑いながら呟く。
「ロッゾ、軽口は慎め。
こんな事態にならないことが一番に決まっているだろう」
ロスの声色が変わる。
先ほどまでの柔らかな雰囲気は消え失せ、
冷たい視線がロッゾへ向けられた。
「わ、悪かったよ……」
普段外へ向けている顔ではない。
これが、“ヘルディ”としてのロスなのだろう。
「ですが――。
こうして皆さんが集まってくださったのです。
是が非でも、メルを取り戻しましょう」
ロスは空気を戻すように、全員へ語りかけた。
「ヘルディ家の情報網で調べた限り、第三区には教団幹部が潜伏していると思われます。
さらに、厄介なことに――」
ロスの話によれば、メル南西にはメルテル山脈が存在する。
そして、その南には“メルテル採掘所”があった。
現在そこを拠点として、教団の増援が海路から向かってきているらしい。
さらに数日後には、採掘所に駐留している教団員たちが、
中隊規模でメルへ到着する。
「厄介な状況じゃねぇか」
最初に口を開いたのはフォードだった。
「新手が来る前にメルを鎮圧。
その後、こっちから打って出ねぇと危ういな」
「領主はどうしている?」
続いてマーカスが低い声で問う。
「自分の領地で争いが起きている。
何もしないのか?」
当然の疑問だった。
教団が動いているなら、本来領主が動くべきだ。
「……領主については期待できません」
ロスは苦々しい表情を浮かべる。
「現在、領主のいるテルンでは、静観派と鎮圧派に分かれています。
ですが……気弱なあの領主では、決断できないでしょう」
まさかの領主側の問題だった。
(おいおい……。
どんな領主だよ)
呆れかけたところで、俺はある可能性に気付く。
「その静観派って、教団側の人間も混じってるんじゃないのか?」
世界規模の教団なら、そこまで根を張っていても不思議ではない。
「恐らく、ヨウ殿のおっしゃる通りです」
ロスは重々しく頷く。
「ですので……。
メルの人間だけで解決しなければならないでしょう」
そこへマーカスが話を引き継ぐ。
「なら、やることは決まったな」
静かに指を折る。
「第四区にいるミーナと、ロス殿の息子タイを確保。
さらに第三区に潜伏している幹部を捕獲。
その後、残党を駆逐。
最後に、到着する新手を迎え撃つ――。
こんなところか」
「それが理想です」
ロスは頷いた。
「そのため、ヨウ殿たちには最も厄介とされる第三区をお願いしたいと思っています。
第四区については、現在評議塔を守っていただいている《フロンティア》の皆さんにお願いしたく」
それを聞き、ヴィヴィアンが口を開く。
「私たちが離れると、評議塔の守りが薄くなります」
「なら、こうしよう」
エリックが前へ出た。
「第三区はアウトライダース残党が主力なんだろ?
だったら、俺とヴィヴィアンが第三区へ向かう。
ジャスティンには評議塔を守ってもらう。
それでどうだ?」
「俺は構わねぇぜ」
ジャスティンも頷く。
「評議塔は出入口が一つしかないしな。
3人で守る必要はねぇだろ」
「2人がそれでいいなら、私も構わないかな」
ヴィヴィアンも納得したようだった。
「ありがとうございます」
ロスは深く頭を下げる。
「では、各自準備をお願いします。
我々は引き続き情報収集を行い、何かあればすぐ連絡します。
また、《ホライゾン》と《バスティオン》には引き続き第一区、第二区の監視と防衛を任せます」
「あぁ、文句ねぇ」
「わかった」
マーカスとフォードも了承する。
俺も方針自体に異論はなかった。
だが、気になることがある。
「ちなみに、その幹部やミーナ、それにあんたの息子の居場所はわかってるのか?」
「……申し訳ありません。
そこまでは掴めていません。
ただ、ミーナとタイは恐らく《パイオニア》にいるかと。
教団幹部については、全く見当がつかず……」
「わかった」
(厄介だな。
まず居場所探しからか)
「では、皆さんよろしくお願いします」
ロスの言葉で会議は解散となった。
準備が整った者から順次出撃する流れらしい。
俺たちも用意された部屋へ戻り、出撃準備を始める。
「サマエル」
「なんでしょう?」
「さっきの話、聞いてたな?」
「はい」
「頼みがある」
「教団幹部の居場所ですね?」
「さすがだな。
怪しい場所も含めて探ってきてくれ」
「かしこまりました」
そう言うと、サマエルは静かに姿を消した。
周囲の目を避けているサマエルは、基本的に人前へ姿を現さない。
普段はセラのポーチの中へ潜んでいる。
こうして、俺たち3人だけの時にのみ姿を見せるようにしていた。
「いや〜、やっぱりサマエルって優秀だよな。
あの蛇の姿なら怪しまれにくいし、諜報とか偵察に向いてるよな」
「でも、あんまり離れてると寂しいな〜」
レインもセラも、相変わらず緊張感が薄い。
だが、いつも通りでいてくれるのは、それはそれでありがたかった。
……セラに至っては、完全にペット扱いしている気もするが。
「とりあえず、俺たちも第三区へ向かおう。
危険だが、聞き込みをして情報を集める」
「だな。
ただ待ってるだけってのも退屈だし」
レインは軽く笑いながら立ち上がった。
俺たちも準備を整え、第三区へ向けて動き出す。
教団幹部が潜伏しているという、混沌渦巻く危険地帯へ――
ヨウたちは教団幹部が潜伏する第三区へ。
そしてサマエルも、得意の偵察へ。
やっぱり蛇の姿は優秀なのかも笑




