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収奪の復讐者 ~奪われた全てを取り戻す悪魔の眼~  作者: 冬野 ヨル


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第42話 シルヴァとの再会

フィレンへ到着したヨウ達はシルヴァとの再会を果たす。

だが、予想外の事実が…

門をくぐった俺たちは、

改めてシルヴァ邸の大きさに圧倒されていた。


「ようやくついたけど…結構でかいぞ」

苦笑いするレイン。

「わあ~すごい。

 シルヴァさんってすごい人だったんだね」

感心するセラ。


俺たちが見とれていると、門番が話しかけてきた。

「おい、お前たち。

 ここに用事があるのか?」

「シルヴァに会いに来た」

俺はそう言って、以前もらった保証状を見せる。

「これは…!

 失礼しました。

シルヴァ様に確認してきますので少々お待ちください」

門番は屋敷へと入っていき、しばらくすると見覚えのある顔と一緒に出てきた。

シルヴァだ。

「ヨウ、それに2人も…

 よく来てくれたね。

 一体どうしたんだい?」

「いやぁ、急に来ちゃってすいません。

 近くまで来たんでシルヴァさんに会いに来ちゃいました!」

レインは軽い調子で答えた。

「そうだったんだね、よく来てくれたね」

「急ですまない、シルヴァに会っておきたくて」

「ふふ、大丈夫だよ。

 せっかくだ、中に入りなさい。

 この人たちは客人だ。

 君は戻りなさい」

門番にそう伝え俺たちは屋敷へと案内された。


「それで、アマツカ山脈の方はどうだったんだい?」

席に着くなりシルヴァが口を開く。


「行ったんだけど、グラディウス兵が多すぎて帰ってきたよ」

グラディウスと揉めて帰ってきたなんて言ったら大騒ぎだろう。

俺は嘘をついた。

「そうか…」

そう漏らしたシルヴァの目は、笑っていなかった。

「ねぇ、シルヴァさんなんか怖くない…?」

セラは少し萎縮し、小声で俺に聞く。

(確かに…もしかして……

 でも、どうやって…?)

そう思ったときだった。

「グラディウス兵は強かったかい?

 それとも楽勝だったかい?」

「!」

俺たちが驚くと同時にシルヴァは続ける。

「かなりの動きだったと聞いているよ。

 特にヨウ。

 ロウ・クエンはなかなかの使い手だと聞いていたんだけどね」

そう言って笑みを浮かべるが、変わらず目は笑っていない。


しばしの沈黙。


「あの――」

そして、レインが口を開こうとしたが、俺は遮るように口を開いた。

「なんのことだ?」

短く聞き返す。

「話す気はないようだね。

 ヴァーノ」

シルヴァがある名前を呼ぶと、1人の男が出てくる。

「彼はヴァーノ。

 私の側近の1人だよ」


――ヴァーノ・ボルシア

剣術:B+

弓術:S


技能

 暗殺剣:Ⅱ


密偵や諜報に長けた男のようだ。

弓に長けているのを見ると長距離暗殺も得意なのだろう。


シルヴァは一呼吸置いて続ける。

「ヴァーノにヨウたちの行動を追わせていたんだよ。

 そしたら…まさかね…。

 ヨウたちがグラディウス兵をことごとく始末してしまったらしいね」


全く気付かなかった――いや、気付けなかった。

ただの心配か、それとも信用していないのか。

定かではないがしくじったと痛感した。

ここまで知られている以上、ごまかしは効かない。

覚悟を決めて俺は口を開く。


「目的を果たすための行動だった。

 俺たちには避けて通れなかったことだし、後悔はしていない」

俺はシルヴァの目を逸らすことなく答えた。

(俺たちをどうにかする気ならここでやり合うか、逃げるか…)

「目的?

 グラディウス兵を皆殺しにするほどのことだったのかい?」

そこまで言われてしまった俺たちは、事の顛末をシルヴァに話した。

と言っても、全てをばか正直にしゃべったりはしない。

とりあえずは、隊長がセラの両親の仇であり、そのロウがルミナリーヴィレッジにいたからということで話をする。

あくまでも両親の仇討ちが目的であるということで通すことにした。

精神感応(テレパシー)を使い事前にセラとレインには共有していたおかげで、

うまく話を合わせてもらえた。


「仇討ち…。

 それだけならわざわざ皆殺しにする必要はなかったのでは?」

「シルヴァ様、恐れながら。

 恐らくグラディウス兵は100人はいましたし、駐屯地であったため、

 隊長単独を倒すことは不可能かと」

皆殺しに関しては、ヴァーノがフォローをしてくれた。

正直フォローと呼んでいいかはわからないがフォローのような形になった。

「確かに、一方的に隊長をやらせる兵士はいないね…。

 とりあえず状況はわかったよ。

 だが、どうしたものか…」

そう言ってシルヴァは考える。

「彼らがここへ来てしまった以上、帝国は差し出すように圧力をかけてくるかもしれません。

 今のうちに彼らを帝国へ引き渡すしかないかと…」

ヴァーノの言うことは最もな提案だ。

俺が上の立場でも争いの種になりえる対象は排除するだろう。


だが、ここで素直に応じるわけにもいかない。

俺は、いつでも抜けるように剣に手をかけた。

『レイン、セラ、最悪戦闘になるかもしれない。

 その場合は俺がひきつけるから先に脱出をしてくれ』

『そしたらヨウはどうなるの?』

セラは戸惑っている。

『大丈夫だ。

 全員を相手にして勝つことは難しいが脱出くらいなら俺だけでもできる。

 レイン、セラを頼む』

『わかった、任せろ』

俺たちはフィレンの外へ脱出して合流する算段でいた。

目の前にはシルヴァとヴァーノ。

そして後ろにも2人――待機していた。

(ざっと視ただけでも、全員それなりに…いや、油断できる相手じゃない)

簡単には脱出できないだろう。


そう考えていたとき、後ろから男が声を発した。

「変な気は起こすなよ。

 剣から手を放すんだ」

男は俺が剣に触れたのを見逃さなかった。

だが――

「ルイーズ、落ち着くんだ。

 ヨウ、君もだ。

 争うつもりはない」

シルヴァが制止させる。

「俺たちも争いたくはないけど、引き渡されるくらいなら…」

「シルヴァ様、引き渡すべきです」

ヴァーノは続けるが、シルヴァは考えていた。

「以前、ヨウたちの動きをこの目で見た。

 恐らく私たちもただではすまないよ。

 最悪返り討ちに合うかもしれない。

 だから今すぐ実力行使はしない方がお互いのためでもある」


シルヴァの言葉にシルヴァの側近たちもそれ以上は何も言えなかった。

俺たちにとってもありがたい。


「一旦休憩にしよう。

 後でまた今後について話し合いをしよう。

 いいね、ヨウ?」

「もちろんだ、助かる」

「うん、それじゃしばらくゆっくりしていきなさい」

そう言われ、その場は一旦収まり、俺たちはしばしの休息となる。

(せっかくだし、今のうちに…)

俺は別れ際にヴァーノからコピーしておいた。

これで弓も、まともに扱えるようになり、遠距離も対応できるだろう。

<弓術 S コピー>

<弓術:E → S>


新たな力は手に入った。

だが、それ以上に厄介な相手へ目をつけられてしまったのかもしれない。


フィレンでの時間は、まだ波乱が続きそうだった。



――――――――――――――――――――――――――

【陽】

種族:人間

称号:冥奪の眼保持者

加護:憎悪の神エルロキス

眼のレベル:Ⅱ


剣術:S

魔術:A+

槍術:A

弓術:S

闘斧術:A


魔法

 (ファイア)     火炎(フレイム)

 疾風(ブラスト)     暴風砕破(ストーム)

 回復(ヒール)

 隷従契約(サーヴァント)

 (ホーリー)


技能

 毒支配(トキシニオン)

 暗殺剣:Ⅱ

 隠密:Ⅱ

 魔法の理:Ⅰ

 精神感応(テレパシー)


装備

 魔剣アルティエルン


―――――――――――――――――――――――――

【レイン・ミスティールス】

種族:人間/エルフ混血


剣術:B

魔術:S

弓術:A++


魔法

 (アイス)   氷結(フロスト)

 (ウォーター)  洪水(フラッド)   激流断砕(トレント)  災厄潮波(タイダルウェーブ)

 回復(ヒール)  状態回復(レスト)


―――――――――――――――――――――――――

【セラ・ルクシア】

種族:人間

称号:聖陰の光魔術師

加護:愛憎の神


魔術:A+


魔法

  光の雫(ライトドロップ) 光線(レイ)   月の旋律(ルナハープ)

  閃光(フラッシュ)   癒光波(ヒールウェーブ)  聖なる光(ホーリーライト)

  (ライト)    光粒(フォトン)   光鏡反射(リフレクション)

  (ホーリー)   聖域(サンクチュアリ)  断罪執行(ジャッジメント)




今回はシルヴァとの再会でした。

だが無事に話が進むこともなく?

まさかシルヴァに監視されてるとは思わなかったヨウ達。

シルヴァの思惑とは一体。

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