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収奪の復讐者 ~奪われた全てを取り戻す悪魔の眼~  作者: 冬野 ヨル


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第41話 次の旅に向けて

オリントスへ戻るヨウたち。

次なる目的地とは。

道中には何があるのか。

是非ご覧ください。

オリントスへ入ったときのこと。

急いでオリントスへ入った俺たちだったが、次の目的地について話し合っていた。


「テーヴァかエリシアに戻るのはどうかな?」

セラの提案に、俺は少し考える。

「いや……フィレンはどうだ?

シルヴァさんもいるし、休みつつ次をどうするか話し合うのはどうかな?」

「確かに。それが一番現実的か」

レインの意見に俺は頷いた。

「シルヴァに会えたら、ワンチャン力になってくれるかもしれないしな。

まずは、ここからカタリアを目指そう。

カタリアを抜ければすぐにつけるはずだ」


こうして俺たちは、フィレンへ向かうことに決めた。

道中、モンスターとの戦いも交えながら進んでいたが、気づけばカタリアは目前まで迫っていた。

本来、街道を進んでいればモンスターに遭遇することはほとんどない。

だが俺たちは、あえて道を外れて戻るようなルートを選んでいた。


戦闘感覚と経験を積み、動きを磨くためだ。

それに――レインもセラも、確実に成長している。

それぞれが今の自分の力を確認する意味もあった。


――数時間前。


森の奥で、最初に現れたのは灰色の狼の群れ。


――アイアンファング

ランク:C


金属のように硬い毛皮を持ち、群れで連携しながら死角から牙を突き立ててくる。

だが――

(遅く感じるな)

動きが読める。

ディオル平原で戦った頃とは、雲泥の差だ。

踏み込みと同時に間合いへ入り、首元を一閃。

連携を崩された群れを、俺たちはそのまま各個撃破した。


続いて現れたのは、空を旋回する黒い影の群れ。


――レイヴン

ランク:C


上空から急降下し、視界をかく乱するように羽ばたく。

その中に、一際強い個体が混じっていた。


――ハイレイヴン

ランク:A


「一匹だけ強い個体が混じってる。気をつけろ」

「了解」

レインは弓を構え、ハイレイヴンを牽制しつつレイヴンを射抜いていく。

空を縦横無尽に飛び回りながら襲いかかる群れ。

「援護を頼む、セラ」

地を蹴り、跳躍。

セラの魔法援護を受けながら、空中で剣を振り抜き、次々と斬り落としていく。

残ったハイレイヴンは、セラが正確に撃ち抜き、決着がついた。

さらに進んだ先で現れたのは、粘つく異様な存在。


――フレイムスライム

ランク:B

――サンダースライム

ランク:B


炎と雷、それぞれの属性を帯びたスライムだ。

「こいつら、物理耐性があって厄介なんだよな~」

「なんか、ねばねばしてそうで気持ち悪いかも……」

「なら魔法で片付けよう。

 セラ、頼む」

「うん!」

――断罪執行ジャッジメント

放たれた光がスライムを貫き、動きを止める。


だが、スライムも反撃してくる。炎と雷の魔法だ。

――光鏡反射リフレクション

セラが即座に魔法を展開し、攻撃を反射する。


「おぉ、反射魔法なんて使えるようになったのか!」

「この前、ヨウに視てもらってから気になってたんだ」

「いい魔法だな。

 対魔法はセラに任せた方が良さそうだ」

セラの成長を、俺とレインは実感していた。

「ヨウ、俺たちも魔法で攻めるぞ」

「ああ」

追撃の魔法で一気に畳みかけ、スライムを撃破。

連携も問題ない。


最後に現れたのは、剣を振るうオーガ2体と、それを取り囲むゴブリンたち。


――オーガ

ランク:B


――ゴブリン

ランク:C


数は多いが――

「オーガは俺に任せてくれ。

 コピーしてきた剣の動きを体に馴染ませたい」

2人は迷いなく頷いた。

「任せた」

「気をつけてね」

「行くぞ」

正面から踏み込み、1体の懐へ潜り込む。

振り下ろされる剣を紙一重でかわし、腹部へ斬撃。

体勢を崩したところへ追撃――だが倒れない。

反撃の剣が振り返される。

(ここで退くべきだが……)

あえて退かない。

受け流し、そのまま次の動きへ繋げる。

戦いを体に刻み込む。

ただそれだけを考える。

レインとセラは、遠距離から援護し、俺が囲まれないようにしてくれていた。

2体を同時に相手にしているにも関わらず、不思議と余裕がある。

隙間を縫い、かく乱しながら最適な動きを探る。


受け、流し、避ける。

そして――


「ヨウ! 大丈夫か!」

「問題ない!

 それよりゴブリンを頼む!」

「任せろ!

 ……セラ、いつでも援護できるようにしてくれ」

「うん、任せて!」

やがて、暗殺剣の動きが馴染んでいく。

(いける)

確信とともに、剣の鋭さが増した。

一瞬の隙を突き、足元へ潜り込む。

振り抜いた一撃が、脚を斬り飛ばす。

そのまま跳躍し、首を刎ねた。


もう1体も、動揺した隙を逃さず制圧。

激しい戦いだったが――

確実に、動きは洗練されている。


オーガが倒れた瞬間、ゴブリンたちは統率を失い、散り散りになった。


――


「ヨウ、なんか以前と動きが少し変わってきた気がするな」

レインに言われた通り、俺もなんとなく感じていた。

特にオーガとの戦闘が活きたのだろう。

「連携もいい感じだったし、たまにこうやってモンスターと戦うのもありかもな」

「そうだね、ヨウだけじゃなく、セラも動きがよくなってきた気がするよ」

「本当に?

 判断は自分でもはやくできるようになった気がするんだよね~」

俺たちはそんな話をしているうちにカタリアへ戻ってきた。


ここから東に行けばフィレンに行ける。

俺たちはカタリアを抜け、川を渡りそのまま進むこと半日。

俺たちはフィレンへ到着した。


「ここがフィレンか。

 これまで見てきたバウンダリーの中でも特別にでかいな」

「エリシアも凄かったけどここも凄いね!」

フィレンは花に囲まれた、美しい都だった。

至る所に色とりどりの花が咲き誇り、街を彩っている。

風が吹くと、花の香りがふわりと漂ってくる。

「確かに、綺麗だし立派だ」

(でも花粉症の人は辛いだろうな…

 というか、この世界って花粉症とかあるのか…?)

2人の言葉に宇な好きながら、そんなことをぼんやりと考えていた。


(そういえば、月は花粉症で、春の時期は特に辛そうだったな。

そのくせ、花見が好きだったし、俺もよく付き合わされた)

当初は朝早くから場所取りをすることに抵抗があったが、

結局のところ、月と一緒だと全く苦ではなかったし、むしろ楽しかった。

音を抑えようとして出るくしゃみが可愛かったのを思い出す。


「見て回りたいな~」

「俺もそうしたいけど、せっかくだしシルヴァさんに会ってみないか?

 観光はその後でしたいかな」

観光したいセラ、シルヴァに会いたいレイン。

「そうだな、俺もシルヴァに会っておきたいな」

俺はレインに賛成だった。

「はーい、わかりました」

セラは少しがっかりした様子だった。


俺たちは街の人からシルヴァ邸の場所を聞き出して向かう。

カタリアで見た別邸も立派だったが、それとは違い遥かにでかい屋敷だった。

庭も広く、広間に噴水まで備わっている。

いかにも権力の象徴みたいだが、嫌みがなくむしろ自然な佇まいに見えた。


穏やかな空気に囲まれた街だが、

俺たちは、ただ休むためにフィレンへ来たわけじゃない。


次に進むための手がかりを求めて、

俺たちはシルヴァ邸の門をくぐる。




フィレン到着。

今回は大きな戦闘というよりも、ヨウたちの成長確認がメインになっています。

特にセラは少しずつ頼もしくなっていきます。

また、フィレンに到着したことで久しぶりにシルヴァたちも登場予定です。

ここから物語がどう動いていくのか。

次回もよろしくお願いします。

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