三話:冒険者のイロハ
今回は説明回なのでちょっと長いです。
月光をつけたまま、オレは駆け出す。
オレが住んでいる東京の品川区の目黒駅の隣にギルドの大きな支店がある。
オレはそこを目指して走る。ここからなら、15分もかからないはずだ。
ギルドは基本24時間やっている。夜行性の魔物の依頼などもあるからだ。
同様に新人の加入受付も24時間やっている。
親が魔物に殺されてしまった人などもこの職業では15歳から働くことが出来るため、
夜中、加護を授かった直後に来る人もいるのだ。
そのまま10分ほど走り続けたあたりで、急に月光が切れたのか、あたりが暗くなった。
蛍光灯などのおかげで走れないほどの暗さではないので、走りながらステータス、と唱える。
すると、MPの欄が0になっていた。
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天宮 宙 15歳
レベル:1
HP:100/100
MP:0/10
ジョブ:魔法使いLv.1
加護:月の加護
取得スキル:なし
固有スキル:反射
称号:なし
スキルポイント:1
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なるほど、スキル、ということはMPを使うわけか。この様子だと多分1分に1MPぐらいの消費か。
レベルが上がればもっと使い勝手が良くなるか。まだLv.1だもんな。使い続ければレベルも上がってくだろう。
と、そんなことを考えながら走っていると、ついにギルドの建物が見えてきた。
建物の中に入ると、いきなり脳筋冒険者に絡まれる…なんてテンプレイベントもなく、新加入受付のところに向かう。
そりゃあ深夜なんだから誰もいないわ。受付に行くと、きれいなお姉さんが迎えてくれた。なんか嬉しい。
「こんばんは、新加入ですか?」
「はい」
「では、ここに名前と初期ジョブ、加護を記入してください」
といい、こんな紙を渡される。
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名前:
年齢:
ジョブ:
加護:
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オレは、ステータス画面の通りに記入して、紙を返す。
「では、少し待っていてください」
そう言って、お姉さんは裏に引っ込んだ。おそらく、ギルドカードと呼ばれるものを作っているのだろう。
3分ほど待っていると、銀色の薄いカードを持って、お姉さんが戻ってきた。
「お待たせしました。これが、ギルドカードです。冒険者についての簡単な説明を聞いていきますか?」
「はい、お願いします」
「では、まず、冒険者というのは、様々な依頼をこなして報酬金をもらい、それで生計を立てる職業のことです。
なるための条件は簡単で、加護を授かることと15歳以上であることです。加護は8割の確率で授かるため、冒険者になるだけならば簡単です」
えっ、100パー授かれると思ってたのに!? あぶなっ! 5分の1の確率で死んでたのオレ?
そんなオレの驚きをよそに、お姉さんは話を続ける。
「しかし、冒険者のみで生計を立てられる人となると、冒険者になる人の4分の1といったところでしょうか。
副業、もしくは軽いお小遣い程度を稼ぐ人も4分の1ほどです。残りのうち半分は加入だけしている状態、
そして残りはライトノベルやゲーム感覚で実力に合わない依頼を受けて、、死んでいきます」
あえて忠告の意味できつい言葉を選んでいるのだろう。だが、そういう人たちの死を一番悲しんでいるのも、親族を抜けば受付の方々だろう。ゲームと同じなんかではなく、これは紛れもない現実なのだ。
「では、ギルドカードについて説明します。カードを見てください」
そう言われ、オレは銀色のカードに目を落とす。そこには、こう書かれていた。
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名前:天宮 宙
年齢:15歳
冒険者ランク:E
ジョブ:魔法使い
加護:月の加護
残高:0円
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「このカードは、その人個人の冒険者としての技量を示します。冒険者ランクは全部で9つあり、それぞれ、
Eランク=初心者
Dランク=経験者
Cランク=経験者
Bランク=中堅
Aランク=中堅
Sランク=上級者
SSランク=ベテラン
SSSランク=ほぼ頂点
Xランク=人類に9人しかいない最高戦力
となっており、依頼を規定量達成し、尚且つランクアップ試験に合格するとランクが上がります。受けられる依頼は自分より一つ上のランクのものまでで、下は無制限です。ランクが上がれば、受けられる依頼の難易度も上がりますが、それに比例して報酬の額も上がります。上のランクを目指して頑張ってください」
「えーっと、この残高というのは?」
「あっと、忘れていました。この冒険者カードはキャッシュカードのような役割も果たしています。依頼を達成した時の報酬金は、基本このギルドカードに入ります。店によりますが、9割の店では普通のカードとして使用可能です。銀行などで現金化することも可能です。ちなみに、使用するときに持ち主の魔力を感知して作動するため、盗みなどは不可能です。残高の部分を長く押すと、金額が非表示になり、もう一度長押しすると、再度表示されます」
完璧かよ。
「これで説明を終わります。何か質問などはありますか?」
「いえ、特に……あっ、今から依頼を受けることは可能でしょうか?」
「はい、初心者向けの依頼なら、常時依頼の薬草採取などが良いでしょう。どうしますか?」
「受けます。薬草はどこに生えていますか?」
「この近くの『草色ダンジョン』ですね。薬草はこれです。一本につき30円です。このような形のダンジョンコアというものがありますが、壊さないでください。壊すとダンジョンが崩壊してしまい、薬草が取れなくなりますので」
机の下から図鑑を出して、説明してくれる。なるほど、薬草と雑草はかなり似てるな。
「ありがとうございます。じゃあ、採取してきます」
そういってギルドを出る。そういえば、あのお姉さん、こんな夜中に依頼?って聞いてこなかったな。察してくれたのか。ありがたい。
そう思いつつ、小走りで草色ダンジョンに向かう宙だった。
伏線ってどうやって作るんだろう?
あ、これからは基本毎日朝の7時に投稿します。
日によって長さの当たり外れはあるけども。




