二十一話:親玉討伐
宙くんの躊躇する心はどこに行ったのか。
お、いたいた。
闇烏くん捜索隊、はっけーん。
と、いうわけで後ろからスパッとな。
最近魔物を殺すのに抵抗が無くなってきて怖い。
まあ、向こうもこっちを殺してるわけだし、文句は言えないよね。
そんな感じで、残りも後ろからスパッとな。
でも、やけにあっさり倒せたな。どゆこと?
『あっ、冒険者さん!』
「お、闇烏くん」
『なぜここにお前がいる?』
「ここにいる烏を倒しにきたから。でも今倒したから、これで敵軍は壊滅状態」
『はぁ?』
「何か?」
『嘘だろう』
「いやいや、じゃあ見に来る?」
『何をだ』
「敵軍の残骸」
『いや、お前おかしいだろう』
「どこがだよ」
『強すぎる上に躊*がない。実は死神じゃないのか?』
「失礼な。ちゃんと人間だよ。ところで、一つお願いがあるんだけど……」
『なんだ、言ってみろ』
「闇烏くん、オレの仲間になってくれない?」
『はぁ!? 良い訳がないだろう!!』
「闇烏くんは嫌? 嫌ならしょうがないんだけど……」
『ううん、良いよ。でもボクで良いの?』
『主様!!』
『でも、この人はボク達の命を救ってくれたわけだし、何かお礼はしないと』
『ぐぬぬ……』
「じゃあ、来てくれるってことで良いの?」
『うん、でも、敵の光烏と鬼烏を倒してからね』
「そういえば確かに倒していかないとまずいよな。よし、敵の場所はわかる?」
『こっちだよ。ついてきて』
そう言って、闇烏くんは飛び立っていく。それを追いかけるようにして、オレも走り出した。
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(同時刻、鬼烏視点)
私は、勝利を確信していた。
群れだけは無駄に多い闇烏を光烏と共同で潰し、勝利報告の入った瞬間に共同軍の本陣で私の
隣にいる光烏を殺せば、このダンジョン内の烏どもは完全に私の支配下に置かれる。
これは、完璧な作戦だ。光烏も抵抗はするだろうが、私の方が圧倒的に強い。
すぐに殺せるだろう。
『鬼烏殿、勝利は何時ごろになるでしょうか』
やれやれ、騒がしいやつだ。じっと黙って待っていられんのか。
そんなことを思いながら、仕方なく返事を返そうとした瞬間、本陣守りの烏が飛び込んでくる。
『お2人とも、今すぐにお逃げくだぐえッ』
勝報かと思い喜びかけた私の目に映ってきたのは、追い返したはずの冒険者が烏の首を切り裂くところ。
『ま、まてっ!!』
そう言っている最中に殺された光烏を見たためか、私の直感が急いで逃げろと言ってくる。
しかし、逃げようとした瞬間ーー私の意識は闇に沈んだ。
思考回路が主人公じゃない気がする......




