神様と政治家との対話
「やだなあ。神様とお話するなんて。神様お願い、この対話をやめにしてくれません。」
「そう、いやがるでないぞ。わしは、おまえを罰したいわけではないのだ」
「そういってくれると少し安心します。この政治の世界を生き抜くには、いろいろこころに沿まないこともたくさんしなければならなかったからな」
「なに、お前は、わしにしらないところで、いろいろ悪いことをしてきたのか」
「なにも、していません。私は、正直に生きてきただけです」
「この嘘つき者め」
「そんなことはありません」
「わしは、おまえの誕生から今日まで、ずーっと見守り、ずーっと応援してきたんだぞ。お前のすべてを知ってる。わしには、うそは通用せん。」
「エ! 神様は、私の守護霊様なんですか」
「そうとも言う」
「守護霊様、私をお守り、助けてくださり、ありがとうございました。」
「気にすることはない。わしが、人間として、この地上に生まれる時は、お前が、わしの守護霊をする番になるのだから。」
「神様 あなたも人間として生まれるんですか?」
「そうだ。今はお前の番で、次は、わしの番じゃ。わしは、訓練もかねて、お前の守護霊をしておる。次に人間として生まれる時に、困らないようにだ」
「神様は、いつ人間に生まれるんですか?」
「お前と同時に生まれることはできないんだ。すると、100年後か、200年後ぐらいだな。」
「そんなに先なんですか。」
「そうだな。われわれは、6つの魂から構成されている。それが、順番に、人間として生まれることができる。今から1000年後か、2000年後には、お前は、次の人間として生まれることになるだろう。そのとき、わしが、守護霊をしてやろう。」
「え! 違う守護霊にしてほしいなあ」
「まあ、それは長い先の話だから、そのとき考えてもいいだろう。われわれは、6人のチームなのだから、のこりの4人を紹介しておこう。各自簡単に自己紹介をするように。」
「アンドリューです。最後に生まれた場所はイギリスです。」
「パーシーです。最後に生まれた場所はブラジルです。」
「サワージュです。最後に生まれた場所は、インドです。」
「ヨーランです。最後に生まれた場所は、ペルシャです。」
「へぇー それで、みんな違った服装なんですね。神様の世界は一様の世界かと思いました。」
「それぞれが生きた記憶はちゃんと残っていて、その姿を保持しているにすぎない。」
「仏教でいうところの輪廻転生じゃ。神の子としての普遍の魂は、数億年、数十億年、数百億年の旅を神とともにしておるのじゃ。お前にも、1000年前に人生、2000年前の人生がちゃんとあったのだぞ。しかし、その記憶や知恵を、いま、ここで、開けてしまうと、現在の人生を生きることができなくなってしまうのだ。すべてを忘れた赤ちゃんとして生まれ、時代を飲みこんでいくからこそ、生きて行けるのだ。さもなければ、ギリシャ時代やアトランティス時代、未開の民族での生活など、どんどんよみがえってきたら、とても生きることができなくなってしまうだろう。」
「そうですね。でも、現在を生き抜く知恵がほしいですね。」
「心配するな。お前の仲間は、やはり、過去に生きた仲間で、共に力を合わせて、ローマの建国に活躍しておったぞ。」
「エ! そんなにすごい仲間がいるんですか。それは誰なんです」
「あのなあ。そんな過去の人生をもったお前が、今はしがない野党の下っ端議員で、今回もあやうく当選はしたものの、落選寸前だんだんだぞ」
「まさか、あなたのおかげで当選できたのでしょうか」
「わしには、選挙権はないぞ。それに、不正選挙をするわけにはいかんだろう。」
「そうですね」
「選挙に負けたからと言って、人生が終わる訳でもない。あまり、気にすることはない。現在をせい一杯いきることじゃ。」
「そうですね」
「おまえもこの有様だが、お前の仲間も、にたりよったりだな。」
「僕たちは、あたらしい社会、あたらしい国を作りたいのです。」
「がんばることじゃ。ローマ時代の活躍をわしは覚えているぞ。しかし、あせってはならん。世界は非常に複雑じゃ。あせりや功名は非常に危険だ。危険な罠が、たくさんあるぞ。」
「危険な罠ですか」
「今のお前には、見えないだろうが、今のお前の真ん前に罠がある。気をつけることだ。その罠にはまると政治家としての再起は難しくなるぞ。よく目を凝らして、よく考えよ。人生の分岐点に来ているぞ。」
「そうですか、よく考えてみます」
「そうしなさい」
「いろいろありがとうございました。私と神様は、同じ地球で同時に生きることはできなんですか?」
「それはできないのだ。6個の魂の内、一人ずつ生まれるのだ。同時に生まれることはできないのだ。人間は一人で生きるということはないのだよ。常に、お前をささえる5人のチームがあることをわすれるでないぞ。」
「いつか、どこかであえるといいですね」
「今、はやっている映画「君の名は」は、魂の輪廻転生のようでもある。お前とわしは、ちがう場所、違う時代に常に入れ替わり生きているのだからのう」
「そういえば、神様、あなたにも名前があるはずですね。どんな名前なんですか」
「普遍の魂は、たくさんの輪廻転生をしているのだ。そして、その時々に名前をもつのだ。わしの最後の人生の時のこどもの時の名前は「ラマの糞」だったぞ。チベットの山の中、ヒマラヤが目の前にある村にうまれた。最後の名前はラーマンだ。成長したラマという意味じゃ」




