神様とコンピュータ技術者との対話
「神様、われわれの開発したコンピュータは、全世界の情報をカバーし、日々発生するビックデータも管理できるようになった。」
「すごい進歩だね。」
「16ビットまでの世界では、たくさんの限界がありましたが、32ビット、64ビット、128ビットと拡大するにつれ、どんなに大きなデータも蓄え、分析することができるようになった。」
「そうだね。4ビットの登場で、数字が扱えるようになり、8ビットでアルファベットが扱えるようになり、16ビットでようやく漢字の世界に入っていったのを覚えているぞ。今にして思えば、昔のコンピュータはおもちゃのようだったのう。」
「われわれ、現代人も、可能な限りのエネルギーを注ぎ込んで、こんなに世界のデータを扱えるコンピュータを生み出しました。人類がいままで出版したすべての本を、地球上のすべての地図を、人類の活動のほとんどを記録できるようになりました。人類が送信するメールや活動記録、自動車の走った場所、買い物をしたあらゆる記録を、保存できるようになりました。」
「ところで、コンピュータ技師よ。お前の魂の記録は、どこかにあるのかな。」
「魂の記録ですか?僕のですか?」
「そうだ、魂の記録だ。神とともに生まれ、今なお、永遠の旅をする数百億年に関する魂の記録じゃ。」
「そんなものはわかりません。私は、アメリカの田舎町に1965年に生まれ、MITで、コンピュータの勉強をしたのですよ。それ以外に、私の人生はありません。」
「そうかな。魂は不変で、無限の知恵をもつエネルギーなのだ。お前が数々の革新的なアイディアを出し、実現してきた。そのアイディアは、お前が学んだMITの授業の延長や既存の知識の中にあったのだろうか?」
「私の革新的なアイデアは、世界のどこにも存在しない私のオリジナルのアイデアです。」
「そうだ。世界中のどこにも存在しないお前のオリジナルのアイデアだ。」
「そうです。私のオリジナルのものです。」
「では、聞くが、そのどこにも存在しないアイデアは、なぜ、お前の心の中にあったのだ?」
「私が一生懸命考えたからです。」
「そうだ。おまえが、一生懸命考えて、見つけ出したのだ。お前の中からな。」
「そうです、私の中で見つけたのです。」
「それは、見つけたのかね。それとも、考え出したのかね?」
「そうですね。みつけたといえば、みつけたような。考えたといえば考えたような。」
「一瞬の出来事だったので、その出来事を、説明することはできないかもしれないな。」
「そうですね。ほんとうに一瞬の出来事でした。あのとき、解ったのです。閃いたのです。掴み取ったのです。」
「そうだ。お前は掴み取ったのだ。未来にある何かをだ。または、過去に合った何かをだ」
「そうです。」
「しかし、それは、1965年から現在の2016年までの51年の人生に中にあったものではないのだ。」
「お前の魂 数億年、数十億、数百億年の魂の記録の中にあった輝かしいアイデアの一つにすぎないのだ。しかも、現在社会にとっては、画期的で最先端かもしれないが、まだまだ、未熟で原始的といってもいい存在なのだ。それはしかたがないことだがのう。お前をけなすつもりはない。この現代社会をけなすつもりもないのだぞ」
「そうですか」
「人間の魂 神と共に生きている人間の魂 数億年、数十億年、数百億年の歴史の中には、宇宙の高度な文明、地球の超古代文明、混乱の時代、文明ともいえない時代の様々な記憶が格納されていることを伝えたかっただけだ。わしは、お前の頑張りは、素晴らしいとおもっているし、応援もしてきたつもりじゃ」
「それは、どうもありがとうございます。」
「現在の科学文明は、調和された文明に比べれば、まだまだ、道半ばだ。」
「そうですね。素晴らしい地球文明が誕生するには、まだまだ、時間がかかりそうですね。」
「時間がかかるが、わしには、美しい地球文明が立ち上がっていく道筋が手に取るようにみえるぞ。その道筋には、険しい道もあるがの。戦いの道もあるがの。しかし、進んでいく道じゃ。可能な限り頑張っていくのじゃ。」




