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「ローラ、君は学園では友人が多いようだね。友人達とはどんな風に過ごしているんだい?」
毎回、公爵様や公爵家について聞かれております。
とは言えないわね…。
「ええ良いお友達ばかりよ。ランチタイムを過ごすだけじゃなくて、一緒に授業の課題や宿題を相談しながらやっているの」
「そうか私も学園時代を思い出すよ。だが卒業単位も十分だと聞いているし、もうそんなに授業もないはずだろう?」
公爵家よりも学園が楽しいから、目一杯、友人と楽な授業を入れてます。
とは口が裂けても言えないわね…。
「でも改めて公爵家に嫁ぐ事になりましたでしょう?なので必要かもしれない授業を増やしましたの」
「そうか。それは君の自由な時間を奪って申し訳ないな。私も君を十分サポートするよ」
いいえ?学園が唯一の自由時間なの。
でもサポートって何かしら?
ご褒美にオヤツが増えるとかならイイわね〜。
この時の公爵様のサポート発言が、まさかの過保護発動だとは私もまだ、この時は思ってなかったわねぇ…。
これまでは「ロージィ様にお伺いしてから〜」と公爵様にも全て先手を打っていたのに「何で毎回、母に?」って、聞かれるようになったの。
ん?あなたはマザコンじゃなかったの?
最近では全部「君はどうしたい?君の予定はどうなってる?」に変わってる?!
まだ三ヶ月くらいしか経ってないのに…おかしいわねぇ?
ある日、マザーに急用が入って、公爵家に来て初めて一人で過ごせる時間ができたのよ。
私は脳休めの為に、庭園の木陰のベンチに座って手入れされた花々を、ただボーッと見ていたの。ノアが「後は私が見ているから」とケリーを屋敷に戻してくれたみたいで、久しぶりに一人っ切りだったわ。
公爵夫人って一人っきりになる事なんて、ほとんど無いのかもしれないわ。恐ろしい立場だわね。
でも今はノアも私を遠巻きにしてくれている。
どれぐらいボーッとしてたのかしら?
だいぶ脳内がクールダウン出来たかもしれないと思った時に、ノアが「冷えませんか?」とストールを持って来てくれたの。
そう言えばノアは公爵様と同年齢くらいに見える。若いのに公爵家の騎士団二番手なのは凄い。
ノアにその事を話してみると、ノアもだがケリーもジムも代々、公爵家に勤めている家門なのだそうだ。だから公爵家の騎士団の団長はノアのお父様がなさっているそうで、ジムのお父様が領地の家令を務めているそうだ。
更にケリーのお母様が総侍女長で、領地のお屋敷を家令と管理しているのだそうだ。
ただの伯爵令嬢の自分より、皆、よっぽど凄いプロフェッショナルなのね。
そしてケリーが既婚者なのは知っている。夫がジムだからだ。
「ノア、公爵様の婚約者だった公爵令嬢は、どんな方だったのかしら?」
私は彼女が公爵様のマザコンを嫌って婚約破棄したとしか聞いていない。あと知っているのは元平民の美しい男爵令息と国を出た事くらいだ。
「気の強い勝気な令嬢でらっしゃいましたね」
「だから公爵様のマザコンが許せなかったの?」
「ん〜あの当時は仕方なかったのかと。恐らくケリー副侍女長や執事頭のジムの方がご存知なんじゃないですかね?」
そうか、公爵家内部のことだからよね。
「ノアは結婚しているの?」
「いいえ、まだです」
「まあ何でかしら?」
公爵家の副騎士団長なら、なかなかのステイタスだ。屋敷内だけでもモテるはずだ。それにノアは私の友人達も絶賛するように普通にカッコ良い。
あ!でももしかして未婚の公爵様に配慮しているとか?
「公爵家内で探すのは、ちょっと…。血縁者も多いですし。なので令嬢のご友人方を、宜しければご紹介下さい」
ノアが魅力的にウィンクしてくる。
この人、絶対、女性に困ってない!
公爵様のマザコンの原因は恐らく、前公爵様の早逝にあると思うのよね。ケリーもジムも聞いたら教えてくれるかしら?
そんな事を考えていると、公爵様が屋敷からもの凄い勢いで走って来た!
「あらっブランドン様、今日は随分と早いお帰りですのね?」
公爵様は息を切らしながらノアを睨んでいる。
ノアは公爵様に慌てて私のストールを渡し、逃げるように退散していった。
「ノアと何を話していたんだ?」
「ブランドン様、ちょっと苦しいわ。それに寒くないわ」
私は公爵様にストールで首元からグルグル巻きにされていた。
「ロージィ様なら、今日は急に侯爵夫人に呼ばれてお出掛けされてしまったの」
「私は君がノアと何を話していたか聞いたのだが?」
まあ!マザーが居ないせいで、私にやつ当たりなの?!
「ノアが何で独身なのか聞いていたのよ。だって彼はとても素敵でしょう?」
ちょっと!ストールを緩めるどころか、締めてきたわ!
私を殺す気?




