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伯爵家四女、マザコン公爵に凸(とつ)ぐ。  作者: 朱井笑美


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「天然で撃退しているのね?」

「天然?私は至って真剣よ!マザコンの攻略前に、もう逃げられない崖っぷちなの!」

「マザコン攻略?公爵様はマザーに言われて、あなたを学園まで送っているの?」


「それは…違う気がするわ」

「そうでしょう?馬車で別れる前に、あんなにあなたに過保護を発動しているならマザーは関係ないって、皆、感じ取っているわよ?」


「えっ!」

 何だか私…マザコン夫のせいで注目されるよりも、今の状況の方が恥ずかしくなってきてしまったわ…。


 そして、私はとうとう皇太子殿下に紹介されてしまったの。


「殿下、婚約者のローラです」

「そうか君が?まだ若いからって言いくるめられて騙されているんじゃないか?」

 ローラがお辞儀を解くと皇太子殿下がそう仰った。


「騙されてはおりませんが、公爵家は私には荷が重いようで、毎日大変ですの」

「プッハハハッ、ローラ嬢は正直だな!」

 皇太子殿下は笑ってらっしゃるが、公爵様は不穏な空気を放ち出した。


「一体、誰が君に重荷になるような負担を掛けたんだ?母か?副侍女長か?執事頭か!」

 凄い剣幕で公爵様が聞いてくる。


「実は君なんじゃないのか?」

「私がっそんな事するはずない!何なら役目は子作りだけで良いと伝えてある!」

 それって…ローラは居た堪れなくなって、つい顔を背ける。


 皇太子殿下は今度はお腹を抱えて大笑いを始められた。

 とりあえず皇太子殿下へのご挨拶は、殿下のご機嫌のうちに終了したけど、帰り際、皇太子殿下は私にソッと仰ったの。


「国公認の“マザコンの従兄弟”を今後も宜しく頼むよ」って。

 でも多分…恐らく、もう公爵様はマザコンじゃない気がするの。


 帰りの馬車への道中も彼はエスコートではなく、ずっと私と手を繋いで歩いている。

 次のターゲットは多分…私。恐らくそう。


 娘か、奇跡的に息子が生まれるまで、彼はきっとローラファーストになる。

 それはマザーも。

 有り難い事ね。

 何で彼がマザコンじゃなくなったのか分からないけど、きっと私が彼らを理解しようとしたのが、結果的に良かったんだと思うわ。


 溺愛か〜まさか自分がそういう目に遭うとわね。

 ローラは「フッ」笑うと、ちょっと嬉しくなって彼の繋がれた手をしっかり握り返した。


 END


 オマケ 〜後日談〜

 二人の新婚旅行には、やはりマザーも着いて来た。

 心配したケリーやジムもノアまで着いて来た。

 皆が心配した通り、マザーは終始ローラにべったりで、ブランドンをヤキモキさせた。


 その後、この国では女性の爵位や家業の相続も認められることになったが、ローラはハネムーンベビーで双子の男子を出産した。

最後までご覧頂きありがとうございました。

お盆の帰省で、嫁行を頑張る方々に捧げます。


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― 新着の感想 ―
なるほどねぇ。 マザコンはマザコンだったけど、それも父親の脅威から逃れるため。逃れた後は、二人三脚の頼りなさゆえに運命共同体への強烈な依存があったからか。 ちゃーんと「仲間」「家族」「味方」と認識され…
普通にただの執着体質だったのか笑
大変面白かったです! お母様から「あなたマザコンなの?気持ち悪いわねえ」と梯子を外されるシーンで声出ましたw
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