真打登場
「ちぃーっす」
アリサの部屋の戸を破壊した張本人、ギルシュが部屋に乗り込んでくる。
「ギルシュ…貴方は戦闘員じゃないはず。なんでこんな積極的な行動に出たのかしら?」
アリサはギルシュを睨みつけながら問う。
「んなの理由は一つだよ、俺は強くなったんだ」
ギルシュはそう告げると、ポケットから手榴弾を取り出す。
「こいつを部屋に投げ込んで、てめえらを絶命させても俺は咄嗟に飛び退ける」
ギルシュはそれだけ言うと、手榴弾を再びポケットに仕舞う。
「なら何故それを使わないのかしら」
アリサはスナイパーライフルの銃口をギルシュに向け、再び問う。
「今回の目的がてめえらの殺害じゃねえからだ、アリサは死んでもいいけどな」
「ちょっと待てよ、目的が殺害じゃない、アリサは死んでもいい、なら目的は俺の捕獲か何かか?」
俺はギルシュに問う。
「そういうこった。叶海疾、お前が投降すればアリサも死なねーよ」
ギルシュはそう言い放ち、手招きをする。
「なら俺が…」
「待って!」
俺がギルシュの誘いに乗ろうとした時、アリサが俺を引き止める。
「叶海さんを捕らえて何をするつもりなの?」
アリサの質問攻めは終わらないと。
「それをお前に教える必要は無い、現に叶海くんもその気みたいだし?」
「アリサ…俺が投降しない限りこいつらは何度でも刺客を送ってくると思うんだ。そうなればアリサや彩香、他の住民にも被害が出る。俺はそれを避けたい」
「でも、目的も真意も不明な相手に捕らわれるのは危険すぎます!叶海さんがいなくなったら彩香ちゃんは誰が守るんですか!」
「アリサ…任せたよ」
「叶海さん!」
アリサが叫ぶが、その訴えは俺には届かない。
「…ごめん」
俺は歩みを進める。
ギルシュは不敵な笑みを浮かべていた。
「おいおい、何しみったれた展開にしようとしてんだ?」
「ん?誰…」
ギルシュが振り向くとすぐ様に、ギルシュは殴り飛ばされた。
「場末さん!」
声の主、場末は拳を握りギルシュのマウントを取る。
「てめ…!」
ギルシュは反撃を試みるが、両肩を膝で抑えられ身動きが取れなくなる。
「ちょっと寝てろ、下衆が」
場末はそう告げると、ギルシュの鼻頭に拳を叩き込む。




