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人工竜
やがて2人は歩みを進めていると、ガラス越しに培養液に浸された「異形」の生物と思わしきものを目にする。
緑色の皮膚にトカゲの様な頭、6本の腕、4本の脚、先端が丸みを帯びた尻尾の様なものが生えている。
「なんだこれは…」
斬咲が声を漏らす。
「わかんねえ…だがとてつもなく濃厚な魔素を放ってる、やべえぞコイツは…間違いなく暴走する」
殺芽がそう応えると、頭上から「見つかってしまったかね、警備を薄くしすぎたな」と篭った声が聞こえる。
斬咲兄妹は咄嗟に頭上を向くが、頭上にあるのはスピーカーであり、意図を読む事が出来ない。
「何なんだ、こいつは」
斬咲は疑問をぶつける。
「人工竜…とでも名付けておこうか、本当は実験サンプルとしての名前があるんだが、君達にそれを教えても何の意味も無いだろうからね」
スピーカーから聞こえる声は冷たく、淡々としていた。
「こいつを何に使おうってんだ?」
殺芽も疑問をぶつける。
「大した事はない、ゾンビ狩りをこの生物兵器に任せるだけだ」
声の主はそう告げるが、あまりにも嘘くさい。
ゾンビなど本部がその気になれば人間の力だけでどうにでも出来るからだ。
ましてや暴走待った無しの生物兵器を使用するなど、斬咲にも殺芽にも嘘である事は瞬時に理解できた。




