山中の戦闘
現場に着くと既にゾンビ共がひしめき合っていた。
「数から察するに主のレベルは大した事ないな、はぁー俺の復帰戦が雑魚じゃ拍子抜けだぜ」
場末がつまらなそうに愚痴を零す。
「いや、本部から伝えられた魔素の確認はこのポイントだけ…雑魚が単騎で突撃してくると思うか?」
斬咲が刺す様な注意を促すが、場末は聞く耳を持たない。
「だってよ、破壊された痕跡は無し、何なら死体すら転がってねえし本部の連中も来てねえんだぜ?ま、こんな山奥に死体があっても困るけどな」
場末は完全に油断している。
「だといいがな…とりあえず、始めるぞ」
斬咲の言葉を合図に全員が装甲車を降りる。
「オラオラぶっ放していくぜ」
場末は二丁のサブマシンガンをゾンビの群れに撃ち込み、ゾンビ共をなぎ倒して行く。
斬咲は向かってくるゾンビを次々と斬り捨てる。
「まずい!一匹逃した!」
斬咲の対処が追いつかなかったゾンビが場末に飛びかかる。
直後、弾丸が場末に飛びかかったゾンビの頭を粉砕した。
「ナイスアシストだ、アリサ」
「ありがとうございます」
このフォーマンセルには言葉にしなくても伝わる役割が存在する。
ゾンビの群れを蹴散らす場末、弾丸を掻い潜りながら此方に向かうゾンビを斬っていく斬咲、斬咲の防衛ラインを突破した相手を狙撃するアリサ、そして役割が場末と被る俺。
俺も場末に負けじとアサルトライフルをゾンビの群れに掃射する。
「様子が可笑しいぞ、場末」
前線で敵と戦っている斬咲が叫んだ。
「んだぁ?普通にサクサク殺してるじゃねえか」
場末は異変に気付かない。
「こいつら、殺しても殺しても数が減らない…寧ろ、増えてます!」
俺は場末にそう伝える。
「なるほど…伏兵、或いは何度も鬼門を開ける程の魔素を秘めた主がいるって事か」
場末はしばらく考えた後に結論を出した。
「全員車に戻れ、主を潰して一気にカタを付ける」
斬咲の一言で全員が装甲車に乗り込んだ。
装甲車の機銃でゾンビを蹴散らしながら出どころを探る。
すると、山奥に広い空間がある事に気付いた。
そしてそこには…斬咲 殺芽がいた。




