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読心術の欠点

「チッ…影の中で思考されては俺の読心術も無意味だ」

斬咲の読心術の対象は視界に映る者、つまりは視界から外れられると思考を読めないのである。

「あの怪我、それに自然治癒力も夜までは高まらないはず…あいつに逃げる以外の選択肢が無いのは確かだ」

斬咲は淡々と語る。

「…完全に逃したな」

しばらくの思考の末、斬咲が導き出した結論だ。

「フリーク…前回はあんな能力ありませんでしたよね?」

「あぁ、奴が復活してから手に入れた能力なのは間違いない」

斬咲の発言は推理では無い、実際に相手の思考を読んだ上での発言だ。


「まあ命があるだけいい、折角の休日を台無しにされたが今夜は休みだ。ゆっくり体を癒せ」

幸いな事に、俺の住むフロアに影響は出ていなかった。

とは言え、此方の所在が敵にバレている事、そして日中でも襲撃の可能性がある事は俺にとってかなりの負担となった。

最上階のシェルターに彩香を迎えに行き、自室へと戻る。

自室に戻ると、ふとアリサの事を思い出してアリサに電話を掛ける。


「もしもし、叶海さん、どうなさいました?」

「いや…今日のアリサの咄嗟の動作に助けられた、礼を言おうと思って」

「礼には及びませんよ、あれくらいプロのスナイパーとして当然の事です」

「そうか…まぁ、助かった。それだけだ」

「はい、一晩休んでくださいね」

短い電話だったが、それだけで心の重りが少し落ちた気がした。

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