再戦のフリーク
「彩香、彩香はここで避難してる人達と隠れていてくれ、俺は外の様子を確認してくる」
「そ、そんな!叶海さん、無謀すぎますよ!」
静止してくるオッサンは俺を心配するが、状況も確認できないままアリサをこの地に迎え入れるのは危険だ。
「すみません、同僚を迎えに行くだけです、彩香の事お願いします」
「…わかった」
俺が室外に出るや否や、すぐ様施錠が施される。
そして俺は、自室に戻る。
「こんな事もあろうかと…」
俺は自室の隠し戸を開け、秘密兵器を取り出す。
「拳銃を一丁、職場から持ち出してたんだよね〜」
俺は拳銃を構えると、階段から慎重に下に降りて行く。
2F...1Fと進んできたが、敵の姿は見当たらなかった。
一階の現場に辿り着いた頃、目の前にハイエースが到着する。
中から斬咲とアリサが降りてきた。
「叶海さん!無事でしたか!?」
アリサが俺に駆け寄ってくる。
「あぁ…敵にはまだ遭遇してない、状況を確認中だ」
「よかった…非常事態なので斬咲さんを呼んでおきましたし、このハイエースにはライフルも積んであります。なので私も戦えます。」
そう言うとアリサはハイエースの荷台を開け、中からスナイパーライフルを取り出した。
「叶海、貴様は武器を持っているのか?」
斬咲が質問してくる。
「俺は借りてたこいつで戦います」
拳銃を見せると、斬咲は何か納得した感じだった。
「では、索敵を開始する。アリサと叶海は俺から離れるな」
斬咲はそう言うと、各階を隅々まで調べ始める。
2階、3階は既にどの扉も破壊されていて、住民の安否は確認するまでもなかった。
そして、4階に辿り着いた時に敵を発見した。
黒コートにマスク、サングラス。そして異常な長身。アリサと食事中に見た男が大鎌を扉に向けて振るっていた。
「てめぇ…!」
俺はそいつに2、3発弾丸を撃ち込む。
しかし弾丸は軽々と弾かれた。
「見付けた…飛んで火に入る夏の虫だな」
「ほう、叶海とアリサを探していたのか」
斬咲が問いかける。
「そう言う事だよ斬咲クン、私の事はもう解るね?」
「あぁ…フリークよ」
フリーク、そう聞いて場末に怪我を負わせた化け物を思い出す。
フリークはマスクとサングラスを外し、その顔を露わにした。
…あの夜見たフリークと同じだ。
「フリーク!お前は死んだ筈だ、何故生きてる!?」
俺は問いかける。
「死神様が私を生き返らせてくださったのだ…そして、この能力と共にな」
フリークはそう告げると、4階の廊下に吸い込まれる様に姿を消した。
思わず辺りを見渡すが、アリサの姿が無い。
スナイパーとして適した位置に移動したのだろう。
「気を付けろ叶海!フリークの能力は影に身を潜める能力、4階の廊下は影だらけだ、何処から襲って来るかわからんぞ!」
斬咲がそう注意した頃には時既に遅し、背後に気配を感じた。
そしてその気配から放たれる殺気は、俺が振り向くより早く俺に悪寒を齎した。




