襲撃
俺は1人で帰路に就く。
本来ならアリサと一緒に帰路に就く事も可能だったが、アリサは今夜の夕食の食材を買いに行くと言っていたので深追いはしなかった。
そして、俺は1人で帰路に就いた事を後悔したーーー。
自宅のマンションに辿り着くと、マンションの前には警備員だった肉の塊が散乱していた。
このマンションは本部の施設、警備は万全な筈だが…。
あまりにもグロテスクな光景に思わずむせ返る。
そして、俺は混乱しながらも気がかりな事を思い出した。
「彩香ッ!」
妹の無事を願い、エレベーターの上昇ボタンを押す。
しかしボタンは光らない、エレベーターは停止しているようだ。
それならばと階段を駆け上がる。
自室前に着いた時、少しの安堵を覚えた。
このフロアはまだ荒らされていない。
とにかく、妹の無事を確認すべく自室へと駆け込む。
「あ、お兄ちゃんおかえ…」
「彩香!無事か!?」
「へ?」
状況を理解してない彩香に、これまた状況を理解出来てない俺が下で起こっていた事を説明する。
彩香の顔が青ざめていくのを感知した。
そしてアリサに電話を掛ける、アリサもこのマンションの住民だからだ。
「もしもし、どうしましたか?」
アリサにも見たものを報告する。
「な…すぐ向かいます!叶海さんは最上階のシェルターで妹さんと待機しててください!」
アリサはそう告げると、そそくさと電話を切った。
最上階にシェルターがあるなんて初耳だが、彩香と我が身を守る術があるなら縋る他に選択肢はない。
彩香と階段を駆け上がり、最上階に着く。
そこにはただ一室だけ部屋があり、「避難室」と書かれた掛札がされている。
シェルターのドアノブに手を掛けるが、開かない。
中から鍵を掛けられてるようだ。
インターホンを鳴らし、インターホン越しに中の者に声を掛ける。
「支部の叶海です、避難しに来ました」
「叶海さんか、すぐ解錠するので素早く入ってくれ」
中に入ると、5〜6人の人が既に避難していた。
「ここにいるのは下の惨状を見てきた連中だ。他の住民にも声を掛けようと考えたが、何処に何が何体潜んでいるかわからない。我々だけでも避難出来ただけマシという事だ…」
そう説明を受け、本部施設であるマンションが何者かに襲撃された事を悟る。
「ゾンビの出現は夜だけじゃないんですか!?」
「それがまだゾンビとも断定できない…幸いこのシェルターには武器があり出入り口は一つだ、突破されても一点を攻撃していればどんな侵入者も入れない」
その言葉に安心感を覚えた。




