無事の知らせ
目を覚ますとそこは薄明かりの世界、どうやら夜明け前の様だ。
スマートフォンを手に取り時刻を確認すると、AM5:00ジャスト、日が昇り始める時間だ。
着信履歴はアリサと斬咲から電話が1件ずつ、メールボックスにはアリサから「任務完了です」という件名のメールが一件だった。
メールをさらっと流し読みして再び画面を暗転させる。
メールの内容は至ってシンプル、要約すると「今夜の仕事は楽でした」といったところだ。
「鬼殺しのアーニャ」の異名を持つアリサと、超能力に超身体機能を兼ね備えた斬咲が組めば大抵の主は瞬殺だろう。
まぁ、俺は「鬼殺しのアーニャ」の異名の所以を知らないのだが。
ウトウトしながら顔を洗っていると電話が掛かってきた。
発信者はアリサだ。
俺はスマホの画面をフリックして電話に出る。
「もしもし」
「叶海さん、おはようございます。お怪我の方は大丈夫ですか?」
「多少の倦怠感は残ってるけど大丈夫だよ、そっちの仕事は?」
「今夜はフェーズの低い主だったので斬咲さんが一瞬で片付けました」
「そっか」
アリサと斬咲の無事の報告を受け一先ずの安らぎを憶える。
「叶海さん、今日のお昼、ランチに行きませんか?」
「いいけど、なんで俺と?」
「言ったじゃないですか、叶海さんが好きだって」
「まあ、いいけど」
「それと叶海さん、叶海さんは今夜も休みです。これは怪我関係なく定休です」
「つまり俺は連休を取っちまったのか、斬咲さんには悪い事したな」
「私も休みですが、私も叶海さんも主のフェーズによっては呼び出されるかもしれませんけどね」
「4人のうち1人が意識不明で2人が休みなんてアリなのか?」
「いえ、斬咲さんも休みです。今夜は本部だけで何とかするそうですよ」
「そうか」
なるほど、うちの会社にも休日があったんだな。
毎晩ゾンビが現れるので感覚が麻痺していた。
「では、私はこれから一休みして昼に備えるので、また連絡しますね」
「あぁ、また」
そこで電話を切った。




