フリーク
「失礼します」
病室の扉を開ける。
場末は未だ目を覚まさない。
「斬咲さん、フリークとの決着はついたんですか?」
「いや、日の入りまで粘って撤退させるのが精一杯だった、4人でミッションを遂行できたら或いは…」
斬咲は普段の無口無表情と打って変わって悔しそうに俯く。
「4人なら勝算はあるという事ですか?」
「あぁ、アリサレベルのスナイパーと、新入りだが筋の良いお前が入れば十に一つくらいの可能性はあった」
斬咲から筋が良いと言われるのは意外だったが、今はそんな事で喜んでいる段ではない。
「ちょっと…射撃場に行ってきます」
「馬鹿か?怪我人が射撃場に行って何が出来る、今夜のミッションは俺とアリサだけで行うからお前と場末は安静にしていろ」
「ですが自分は…」
平常を装う為に肩を回そうとするが、肩が上がらない。
というか、上げようとすると物凄く痛む。
「アリサの目撃談だと、お前は気絶して尚も主や化け物から攻撃を受け続けた。当然アリサも最善を尽くしたがアリサの腕でもどうにもならない数故に主を最優先したらしい。これでも被害は最小限に抑えられた方だ。そっちはな」
俺は自分の非力さをまたも痛感する。
結局、簡単だと見なされた現場さえアリサ一本に頼り切りだ。
「俺、強くなります」
「その為にも今は安静にしておくべきだ」
「はい…」
「退院は出来るが、出勤はするな。家で寝ていろ」
「わかりました」
そして俺は帰路に就いた。




