魔素
慣れない言葉を耳にして硬直していると、バイクはすぐに事務所に着いた。
「おや?今日は2人揃っておいでか?」
場末がニヤニヤしながら俺たちに躙り寄ると、アリサが「はい!」と答える。
その様子を見た斬咲は吹き出しそうになっている。笑うな斬咲。
「言っときますけど斬咲さん、俺たちそんな関係じゃ…!」
俺が反論すると斬咲は余計に吹き出しそうになりながらそっぽを向く。
「ま、それは置いといて今日の仕事だが、昨日の戦闘で本部が大打撃を受けたせいか、今日は俺たちに2つ現場が与えられてる」
「じゃあ2人と2人で分かれるんですか?」
「そうなるな、メンツは…わかるよな?」
場末はそう言ってまたニヤニヤする。
あぁ、これは絶対アリサと2人きりにさせられるパターンだ。
いや、アリサと組むのが嫌なんじゃない。何か掌の上で転がされてる感じが嫌なのだ。
それに斬咲と同じ現場じゃない事には不安も大きい。
「安心しろ、叶海とアリサには比較的難易度の低い現場を任せるからよ」
「あの、依頼の難易度ってどういう基準で決められてるんですか?」
「あぁ、説明してなかったな。主は鬼門を開いてゾンビ共を呼び出す時、なんとか…うん、名前は忘れたがなんとかってエネルギーを発するんだ」
場末が額に手を当て忘れたものを思い出そうとする。
「魔素だ」
斬咲がフォローを入れる。
「そうそう魔素、その魔素の規模で主の強さやゾンビの数が解る。それで決められてるんだ」
「なるほど」
「ま、お前の相方もロシアじゃ名の知れた鬼殺しのアーニャだ、まあそっちはまず失敗しないだろう、問題は…」
「問題は?」
「いや、なんでもねえ。とりあえずお前らはサクッと仕事を終わらせてこい」
場末の言う問題と云うのが引っかかるが、現場に赴いた。




