夜明け
「負傷者10名、うち死者3名です!」
ゾンビの奇襲が終わった時、本部の部隊は大きく戦力を削られていた。
「チッ…これでは圧倒的に不利…」
指揮官風の男が呟いてる時、斬咲が突如身構えた。
先程殺芽が逃げて行った方向から、殺芽と無数のゾンビが現れたのだ。
殺芽の傷は全回復している。
「あいつ…!鬼門を開きやがったな!」
「鬼門って…?」
「主やゾンビの出入り口だ、詳しい事はわかってねえ」
なるほど、殺芽は俺たちの攻撃が伏兵ゾンビに向いてる間に鬼門を開き、大量のゾンビを呼び出したのか。
「撃て!奴らを殲滅しろ!」
再度弾幕が展開される。
その弾幕は先程のそれとは比にならない程薄く、ゾンビの接近を容易に許す程だった。
そんな中、殺芽も動き出す、狙いは斬咲だ。
「さぁー第二ラウンドと行こうじゃないか、アニキ」
手刀と刃物がぶつかり合う。
その度に火花を散らしていた。
俺も殺芽を狙って数発撃ちこむが、矢張り当たらない。
場末とアリサはゾンビの殲滅を優先していた。
超強力なゾンビの群れ、そして圧倒的な殺芽。
此方の戦力は疲弊する一方で、全滅は時間の問題かと思われた。
その時、辺りに光が差す。
太陽が昇り始めたのだ。
「ちっ」
殺芽は急に斬咲の間合から外れ、手刀で鬼門を開く。
「タイムオーバーだよ、また会おう」
そう言い残すと、殺芽は前回の主たち同様吸い込まれる様に消えていった。




