新たな住居
「今日からここが君達の暮らすマンションだ、ここは本部直属の特殊警備隊が常駐していて絶対安全だよ」
気品を感じさせる雰囲気を放つオッサンがそう告げる。
このオッサンは本部の重役らしい。
通常、ゾンビ事件の被害者を案内するのは下っ端の役割らしいが、今回はこのオッサンが俺に話したい事があるとの理由で俺の案内役に回ったそうだ。
「叶海 疾くん、君はZB機関の一員らしいじゃないか」
「はい、そうですが…」
「災難な事に、ZB機関の君がゾンビの襲撃で家族を失った。実は私も妻と娘をゾンビにやられてね…君にはその仇討ちをしてほしい」
オッサンは自身の過去を暴露して、俺にその仇討ちを頼んだ。
「昨晩の戦線ではフリークと呼ばれた主を引きつけて隙を作ったという大活躍をしたそうじゃないか、これからも期待してるぞ」
ハハッ、なんという好意的な解釈での報告が上がったのだろうか、場末も斬咲もお人好しの度を越してる。
「そういえば、私の学校はどうなるんです?」
彩香は現役の高校生、矢張りそこは不安が残るのだろう。
「通っている学校には手配してある。君達は引越し扱いになっただけだよ」
オッサンがそう言うと彩香は少し安堵した様に胸を撫で下ろした。
「さて、君達は精神的にも肉体的にも疲れてるだろうから、私はこの辺でお暇するよ」
「ありがとうございました」
「礼には及ばない、ゆっくり休んでくれ」
オッサンが立ち去った後、俺も彩香もすぐに眠りに就いた。




