第二章 仕事のチャンスと大きな試練
四月 新しいプロジェクト
美咲の会社で、新規プロジェクトが立ち上がった。
社内の業務を効率化する取り組みで、部署を横断したチームが編成される。
上司から声がかかった。
「花村さん、プロジェクトの中心になってもらえませんか」
美咲は驚いた。
「私がですか?」
「前回のチーム運営がよかった。ぜひお願いしたい」
うれしい。
けれど、責任も大きい。
美咲は帰宅して悠人に相談した。
「また忙しくなるかもしれない」
「やってみたい?」
「うん。少し怖いけど」
「じゃあ、やってみよう。僕も家のことを頑張るよ」
挑戦の歌
怖くても
扉の向こう
風が吹く
一歩踏み出す
私の明日へ
五月 会議室の嵐
プロジェクトが始まると、予想以上に大変だった。
部署によって意見が違う。
使っているシステムも違う。
仕事の進め方にも、それぞれの事情がある。
会議では、意見がぶつかった。
「今のやり方で問題ありません」
「いや、改善が必要です」
「現場の負担が増えるだけでは?」
美咲は、双方の話を聞きながら考えた。
誰かの意見を押し通すのではなく、現場の困りごとを一つずつ解決する方法はないだろうか。
そこで、各部署から小さな改善案を集め、試験的に導入することにした。
会議室の歌
意見あり
反対意見も
また意見
みんなの正義
机に並ぶ
六月 失敗は会議資料より重い
試験導入した仕組みに問題が起きた。
入力項目が多すぎて、現場の作業がかえって増えてしまったのだ。
美咲は責任を感じた。
「私の確認不足でした」
上司は言った。
「失敗したことより、そこからどう直すかが大切だよ」
美咲は現場に足を運び、担当者たちの話を聞いた。
そして、必要のない項目を減らし、操作手順も簡単にした。
少しずつ改善が進んだ。
ある日、現場の社員が言った。
「これなら使いやすいです。ありがとうございます」
美咲は胸が熱くなった。
失敗の歌
転んでも
道の石ころ
拾い上げ
次の誰かの
道しるべにする
七月 初めての大きな評価
プロジェクトの中間報告会。
美咲は、改善によって生まれた時間や、社員の声をまとめて発表した。
数字だけではなく、現場で働く人たちの言葉も紹介した。
発表が終わると、拍手が起きた。
上司は言った。
「花村さん、よくまとめてくれました」
美咲は、少しだけ自信を持てた。
「私にも、できることがあるんだ」
評価の歌
誰かから
届いた言葉
胸に咲く
頑張った日々
無駄ではなかった




