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終章 日記は366日目へ
大晦日の夜。
美咲は一年間使い続けた日記帳を閉じた。
「ふう……。よく書いたわねえ」
一年を振り返れば、いろいろなことがあった。
嫌いな月曜日。
理不尽な上司。
満員電車。
値上げ。
美容院の請求。
恋のときめき。
友人の結婚。
母の電話。
父の笑顔。
そして、何よりも、自分自身との付き合い方が少し上手になった。
スマートフォンにメッセージが届く。
佐藤さんからだった。
『来年もよろしくね。初詣、一緒に行こう』
美咲は微笑んだ。
「ふふ。来年の日記も忙しくなりそうね」
新しいノートを取り出す。
表紙には、こう書いた。
『令和女流・怒りと幸せの和歌日記 第二巻』
そして、その最初のページに一首。
明日からも
笑って怒って
生きてゆく
三十路の春は
まだこれからよ
美咲はペンを置き、温かいお茶を飲んだ。
窓の外には、静かな冬の夜空。
今年もおしまい。
でも、人生はおしまいではない。
花村美咲、明日も元気に生きてゆく。
365日目・完
ただし、月曜日への不満は来年も継続予定。




