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さよならなんて言わないで  作者: マリーゴールド:あやめ
第一章:1年生編 第一節:入学編

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第33話 似合ってるよ

シレネと葵の2人はとある服飾店の中で気に入った服がないかを探していた。


「この服とかどう?似合うと思うけど」


この服似合いそうだなと掛けてあった服の中から白に近いグレーの薄手の長袖の真ん中が開いたボタン式の上着とセットとなっている半袖のクリーム色の裾が少しフリル気味になっている服をシワを作らないよう丁寧にシレネに渡す葵。


「…なるほど、ちょっと試着してきます」


足早に試着室へと向かうシレネ。それを見送った葵は他にはどんな服があるかなと再び辺りを見回す。すると


「何かお探しですか?」


気を利かせた店員が葵へと声をかける。


「あ、特に探しているものはないんですよね…そうだなぁ、何か目立ちにくいアクセサリーって置いてますか?小物でもいいです。」


せっかく話しかけてもらったのだし、と何かいいものないかな〜程度に聞く葵。


「彼女さんにですか?」


そういう仲ではないのかもと遠慮したもののこれはそういうことだと感じた店員が試着室をチラッと見つつ葵に話しかける。


「あー、実はそうじゃなくてですね。自分用でもありますし、単に何かいいものはないかなぁと思いまして」


本当にそう思っただけなのでそう返す。もちろん嘘はついていない。


「そうですか。ではあちらの棚の方に小物類がありますので、何かお困りごとがございましたら私たちスタッフにお声かけください」


「はい。ありがとうございます」


そう言って去った行った店員を一瞥した後、シレネが入って行った試着室の前で待機しつつ店内を見回すこと十数秒。


「…どうでしょうか」


きっちりと着こなしたシレネがカーテンを開けて葵に問いかける。


「似合ってるよ」


そう言いつつ先ほど見回していた辺りをじっと見た後


「そのままでちょっと待ってて?」


とシレネに言い残して立ち去り、10秒ほどして戻ってくる。


「面倒くさいかもしれないけど、これを履いてみて?」


そう言ってシレネに渡されたのは黒を基調とした縦に銀糸の線が入った地味すぎず派手すぎない落ち着いた印象を与えるロングスカート。


そんな葵に驚いたような顔を向けるシレネに葵はきょとんとする。


「どうしたの?」


「…なんでもないです」


不思議そうに問うた葵にシレネはそう返してそそくさとカーテンを閉める。


そうした様子に不思議そうにしながらもまた店内を見回す葵だった。



{なんで今これを…}


上の服を値段に恐々としつつも試着したシレネがスカートを渡されたことに驚きつつ、今葵が持ってきた理由を考えると、葵が自分に似合いそうな上の服を選んだ後それを試着した私に似合いそうな下の服も選んだということになる。


試着中の開いた時間で探し、目星をつけていたとしてもこの絶妙にマッチしているこの服のセンスは…私のあの服選びの時間はなんだったのか…葵の好みはこんな感じなのだろうか…今日の葵の服は落ち着いて且つ機能性のあるものであり、今試着している服と上の服の配色が逆というぐらいで嗜好も似ている…


そう考えに没頭しかけ、慌てて帰ってきて試着しカーテンを開けるとそこにはこちらを見つめる葵の姿があった。


「うん、ちゃんと似合ってる。ちょっと着ていた下が上の試着してくれた服とあってなさそうだったからそれにしてみたけど…どう?」


満足そうな顔をしながら一つ頷く葵にシレネは


「落ち着いていていいと思う。ただ…少し高城くんの今の服と色が同じじゃない…?」


先ほど考えていた疑問をちょうど返せそうだと投げてみたところ葵は


「え?ほんとだ…たまたまってことにしてくれないかな?」


そう言って首をこてんと傾げた葵にシレネは


「…なんでもないです。とりあえず着替えます」


そう言ってそっぽを向いてカーテンを閉めた。

今のところ最大の文字数。この前の1000文字どうのこうのは切りどころがないともっともっと文字数が増えるということです。飽きないでください。はい。

ちなみに服の好みとしては

葵:落ち着いている。選ぶ時は下が暗い色で上を明るい色にする。派手なのは好きではないが嫌いではない。進んではしない。

シレネ:落ち着きつつそこに何かしらのアクセントが欲しい。アクセサリーなど。

備考

泰祐、百桃:色合いは派手だが派手と感じさせないような着こなしをする。ただし見た目から元気そうなオーラ(?)がぷんぷんする。

と言った感じです。こういった回は作者のセンスが実質的に試されるです。コワイ。

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