第22話 バッチグー
ーーー1、2時間目の間の10分休みーーー
「ねえねえ、どう?上手くできた?」
私を可愛く描けているかどうか確認しなくちゃ。
「あのなあ、オレがそんなに速く書けるわけねえだろ。オレは百桃じゃないんだから」
「へへ、それもそっか。じゃあ途中でも良いので見せてくださぁ〜い」
…あ、ちょっと隠さないでよ。
「…いやだ」
「え〜?、なんでよ」
別に減るもんじゃないのに。
〔…下手だから〕
「ん?なんて?」
声が小さくて聞こえないなぁ?…聞こえてるけどね。
「…完成するまで待ってろ。もっと上手く書く」
「あ、そう。じゃあ待ってる〜」
最初からそう言ってくれれば良いのにぃ。まあ、そんな熱心に描いてくれるならどんな出来でも私は嬉しいけど♪
ーーー2時間目ーーー
「先生!課題はなんですか?」
なんでもこいやぁ!
「ああ、似顔絵とは関係ないが、この三角錐をデッサンで描いてくれ。」
「了解です!」
よっしゃー!絶対に満点取ってやる!…そういうのあるかわからないけど。
「…おお、おかえり。どうだった?」
「バッチリ。新しい課題もらったよ〜。三角錐のデッサン」
これ終わらせたら何もなさそうだからゆっくり描こ〜。
「…それ絶対後でオレらもやるやつだよなぁ。百桃だけ先突っ走りそうだな」
「そう?その分成績もらえるからいいや」
先生悪いようには響かないって言ってたけどなぁ。
「じゃ、描こっか」
「そうだな」
いつまでも話してても終わらないからね〜。
ーーー数十分後ーーー
「よし、終わった。どうだ?百桃。上手くできてるか?」
「え〜?どれどれぇ?」
どんな出来かなぁ〜。…うん。いい意味で普通。まあ、可愛くかけてるからよし!
「バッチグー!よくできたんじゃない?」
「そうか?よかった〜。じゃ、先生に提出してくるわ」
「あ、ちょっと待って。それ貸して」
「ん?いいぞ」
ふふん。しっかり収めておかなくちゃ。
「…おいおい、一応授業中だぞ。スマホ出すな」
「えぇ〜、いいじゃん。ケチ」
彼氏が描いてくれた絵を収めておくのは彼女の仕事(?)です〜。
「はぁ、ほら、早く撮れ。バレたらいやだし」
え〜?守ってくれるの〜?やっぱり私の彼氏は優しいなぁ〜。
「…はい、ありがと。じゃ、いってらっしゃい」
「…ああ、いってきます」
ま、どうせすぐ帰ってくるだろうけど。
「ただいま。百桃がやってるあの課題はもうあんま時間ないからやらなくていいってよ」
「おかえり。そうなの?じゃあ彼女の可愛い顔でも見て授業終わるまで待ってたら?」
もちろん冗談だけど。
「ばっ、何言って…わかったよ」
「え…あ…うん」
本気にしなくてもいいのにぃ…
ーーー授業終わりーーー
「なにぃ?見せつけやがって。新婚か?熟年夫婦のくせに」
「そうですよ〜、もう周りの視線すごかったんですよ〜?」
「…気にするな。その、まあ、うん。ご馳走様」
それはフォローになってないよぉ!恥ずかしい!
今までの泰祐の一人称がオレではなく俺になっていたら教えて欲しいです。見返したけどないはず…ないよね?




