リリアリーり視点1
私はリリアリーリ・コネット。
スキル継承で【魔道】を授かり、ジョブ継承で【魔女】になった15歳。姉とは11ヶ月違いだ。
「対魔のロープ事件」から少しして、我が家に帰ったところである。
姉が命を差し出してまで頼み込んで連れてきた鍵屋さんのアレクから、今しがたお説教をされ、姉共に"要らない"と言われたところ。
彼はなんと12歳。3つも年下の男の子にぐうの音も出ないお話をされ、凹んでいる。
私の判断は間違ってはいなかった。妖精族は救われたから。そして、念願の姉に並ぶほどの力も得られた。
でも私の行動の仕方は間違っていた。姉を心配させ、あまつさえ、人生まで奪うところだったから。
完璧だと思っていた私のお姉ちゃん。そうじゃなかった。神聖視していたのかもしれない。あまりにも届かない存在だと思い詰めていたのかもしれない。姉は愚かだ。私みたいな妹の未来のために、自分を犠牲にしたんだから。
理想のお姉ちゃんそのままに、私は姉が大好きだ。今回もっと好きになった。身近に感じたから余計に。私は姉の弱点になる存在だと知って、恐怖を覚えた。でも嬉しかった。自分に価値を見いだせなかったから。私の唯一の大事な家族。これからは私もお姉ちゃんを守るから。
そんな決意を抱きながら、アレクを見送りに外へ出る。
アレクがドアを開けると、突然淡い光が姉を襲った。まずい、お姉ちゃんを守るって誓ったのに! 綺麗な光だったけど、それはそれは身の毛のよだつオーラを発して姉の周りをクルクルまわっている。
「お、お姉ちゃんから邪悪な気配が……」
そう言うと同時に姉も私を見て言った。
「リリア、大丈夫っ、邪悪な気配がっ」
ぇぇぇぇ。理解が追いつかない。なんで!? アレクはわかっている様だったけど、苦笑してスタスタ歩いて行った。ちょっと待って! 説明足りないよー!!
姉を見てイライラが募る。さっきまでの尊い想いはどこへやら、嫌悪感が私を襲っている。
どうしよう!? でも待って、アレって精霊じゃなかった? 以前はこんなに邪悪な気配無かったのに……。穢れた精霊なんじゃ……お姉ちゃん! その光は危険だよ!
そんな姉はちっとも苦しそうではなく、むしろこれまでの力を取り戻したような楽しそうな雰囲気だった。こっちを見て、私の周りを凝視している。私をどうやって助けようか考えているように見えた。
アレ? どうなってるんだろう。お互いが邪悪な気配と感じている。変化は私の妖精魔法だけだ。……つまり、私が精霊魔法と相容れない妖精魔法を手に入れたことしか原因が無いように思う。
「リリア、お、落ち着いて話そうか」
姉も同じ結論に至ったようだ。
「そうだね……お姉ちゃん」
私達は仲の良い姉妹。邪悪な気配を纏っていても姉は姉。嫌悪感があっても姉は姉。
愛してみせる。
はァ、家出していいかな? アレク。また助けてくれる?




