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3 最初の三年間②
二年目の夏、今度は別の友人から聞いた。
ライガルドが人型ではないにもかかわらず、シェリルと森の外れで二人でいるところを目撃されたという話だった。精霊が契約者以外の人間と単独で行動するのは、規則違反ではないが、異例だった。
アイリスは何も言わなかった。
三年目の秋、マリアがもう一度、今度はもっと深刻な顔でアイリスの部屋を訪ねてきた。
「……シェリルが、言ってたんだって。自分の友達に」
マリアは声を落とした。
「ライガルドは最初から自分のものだって。お姉様に取られてるけど、人型になったら絶対に自分のそばにいてくれるって」
部屋の中が静かだった。
「……アイリス」
「ありがとう、教えてくれて」
アイリスは静かに言って、窓の外を見た。
秋の空が、妙に高かった。
(知っていた)
(薄々、ずっと)
でも知っていても、どうにもならなかった。ライガルドはアイリスが召喚した。アイリスが契約した。そのライガルドを人型にする責任が、アイリスにはあった。それだけのことだ。
感情は、そのうち凪いだ。
三年目の冬に、雷晶石の最後の欠片を手に入れた。
ライガルドが、変わり始めた。




