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第53話 キャ〜可愛い〜〜!

オークそっくりと蔑まれていた少女エルフィナ。

その正体は、特別な力を持つ女神の生まれ変わりだった。

神々が道を外れた時――

世界は一人の少女を呼び覚ます。

 エルフィナの代わりにレイピアが答える。

「無理無理……

 いくらエルフィーだとは言え、流石にな~」

「あそこには地下通路が有ります。

 迷宮の入口に直結する――

 〝迷宮の一部〟とも言える構造です。

 それが離れた場所まで繋がっています」

「それ本当?さっき言いかけた、

 〝他の方法〟って言うのがそれ?」

「はい、森の奥の本来の入り口を入って、

 すぐの所に隠れた扉がありまして、

 そこに地下通路が繋がっています」

「アカシックの記録にも無いのに、

 なんでそんな事知ってるの?」

「2人の勇者のどちらも、

 隠し扉に気付かなかったのですが……

 私は聖魔力の索敵が可能です。

 それで気付きました」

「何故勇者達に、その事教えてあげなかったの?」

「私が話せる様になったのは、

 つい最近の事ですよ?お忘れですか?」

「あ、そっか……」

「私の記憶はアカシックさんとは繋がっておりませんので、

 アカシックさんの記録に、なかったのでしょう」

「決まりね!早速(さっそく)明日行ってみよ」

「だけどさ~。それでも50kmだろ?

 1日で着くって言うが、

 俺、そんなスピードで走れないぞ?」

「何一緒に着いてくる気でいるのよ?」

「1人じゃ危ないだろ?それに俺もレベル上げたいしな」

「スカイとチッチだけで十分よ。

 貴方は悪魔の所でも潜ってたら?

 凄く効率良く、レベル上がってたじゃない」

「いや、スカイ達が居ても心配だぞ?」

「多分問題ないかと思います」

「何故だ?お前さっき、

 S級の魔物が次から次へとって言ってただろ?

 勇者も諦める程だって……」

「エルフィナ様は、

 勇者の領域を、遥かに超えております」

「……嘘だろ?」

「仮に勇者と剣を交えたとして――

 剣は、掠りもしないかと」

「……マジかよ」

「確かに……勇者と言えど、(いま)だかつて人の限界……

 100レベルに達した者は、

 3人しか私のデーターにありません」

「えっ?マジ?じゃあ俺も、もう既に勇者レベル?」

「ええ、過去最高と言われた、

 3人の伝説の勇者と肩を並べていますね」

「ワ~ィ……って……素直に喜べないのは何故だろう?」

 マックスが遠い目をする。

「何故でしょう……」

「凄いじゃない!マックス!」

「エルフィー……お前だけには賞賛されたくない……」

「男の意地ですね……」


ーーーー



「良かったのですか?

 スカイさんを連れてこなくて」

 レイピアの声に、エルフィナは肩をすくめる。

「だってマックス、気合入りすぎて、

 最下層まで行くって言ってるんだもの……

 念の為こっそりスカイに着いてって貰ったのよ?」

 くすっと笑う。


「え……と?あれ?泉?

 この辺りで間違いないと思うのですが……

 泉など無かったはずです」

「確かに泉ね?

 広いから、ちょっとした湖みたいだけど……」

 エルフィナが周囲を見渡す。

「霧を全部晴らしたから、

 太陽の光が降りてきて……すごく綺麗」

 水面がきらきらと輝く。

 まるで別世界のような光景。


「この辺り一体の霧を晴らしたから、

 太陽光が降りてとっても綺麗ね」

「以前は霧が立ち込めて、視界が悪かったとは言え、

 こんな泉はありませんでした……

 常に索敵も行っていました。

 見落としはあり得ません。

 ここで間違いないはずなのですが……」

「ねえ?レピちゃん。それはいつの事?」

「かれこれ1200年ほど前かと」

「この辺りは地震が多くて有名よ?

 地殻変動でこの泉ができたんじゃ無い?」

「とすると、迷宮の隠れ入り口は、

 泉の下という事でしょうか?」

「多分そうよね?」

「困りましたね?」

「平気よ?水、どかせばいいだけでしょ?」

「……はい?」

 次の瞬間。

 ――ざぁっ……!!

 泉の水が、音もなく消えた。


「はい、おしまい♡」

「……今、何を?」

「別の場所に転移させただけよ?」

「だけよ!?!?」


「あっ!魚が跳ねてる!」

 ぴちぴち。

「かわいそうだから、少し戻してあげなきゃ……」

 ぱしゃ、と水が一部戻る。

「……優しさとスケールが、

 噛み合ってないんですよね……」


「……あっ」

 エルフィナが指差す。

「見て!あそこ!」

 岩肌から流れ落ちる水。

 小さな滝の奥に――

 巨大な扉。


「……あれです!

 あの紋様……間違いありません!」

「ほんとに……あったわね」

 わくわく顔。



「結構水に埋まってるから、水圧で開けにくそうね?

 それに、ずぶ濡れになるのもいや……

 ねえ、レピちゃん。あの扉の向こうの地下通路は、

 開けたら、その先は、しばらくは真っ直ぐかしら?」

「はい、あの向こうの山の、中腹(ちゅうふく)あたり迄は、

 確か真っ直ぐでしたよ」

「だったら、横から別の穴を開けちゃうわ」

「そんな事出来るんで……出来ますよね……」



 ――ズドォン!!

 岩壁に、綺麗すぎる円形の穴が穿たれる。

 中へ。

 真っ暗闇。

 湿った空気。

 ぬかるむ地面。


「……うわ、カビ臭い」

「古い迷宮特有の環境ですね」


 〝タッタッタッ……ト~ント~ント~~ン!〟

「真っ暗で、灯りを灯しながらだから、

 思った程スピードを出せないわね?」

「し……死ぬほど早いんですけど……」

「レピちゃんって死ぬの?」

「そもそも、生きてると言っていいのかどうか……」

「そうよね?剣なんだもんね。生物じゃ無いものね?

 でも自我があるんだから、生きてるって事で良いのかもね?」

「ですかね?私もスカイさんみたいに、人型になろうかしら……」

「出来るの!?やってやって!」

 走るのをやめて、胸の前にレイピアを抱え、

 顔をピンクに染め、

 期待を込めてレイピアを見つめるエルフィナ。


 ――ふわり。

 光が集まり。

 形を成す。


「きゃああああ!!可愛い!!」

 現れたのは――

 七、八歳ほどの少女。

 淡い青の髪。

 透き通るような瞳。

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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