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第43話 剣のレベル、成長する剣

オークそっくりと蔑まれていた少女エルフィナ。

その正体は、特別な力を持つ女神の生まれ変わりだった。

神々が道を外れた時――

世界は一人の少女を呼び覚ます。

「成長する剣か……

 聖剣と同じ能力が有るのか?お前のレイピア……

 マジかよ、その話」

「アカシックが言ってるんだから間違いないわ。

 悪魔は死なない……つまり殺せないって聞いたんだけど、

 ここの悪魔、他の魔物に憑依してるから、

 それを倒せば、元の魔物と同時に死ぬんだって。

 悪魔は経験値高いし、

 憑依されてる魔物の経験値まで入るから、

 2度美味しいってやつ?

 もう何度もレベル上がってるわよ?」

「さっきから、お前の剣が時々光ってるのは、それか?」

「気付いてた?

 この迷宮でもう20以上レベルが上がったわよ」

「20?冗談だろ?

 いったい今、その剣のレベルは幾つなんだよ?」

「このレイピア、最初からレベル高かったからね。

 既に80超えよ。最高100らしいから、もう少しね?」

「おいおい80超えって……

 既にこの聖剣と同レベルなんじゃないか?

 俺のこの聖剣のレベルは85前後のはずだぞ?」

「あら、その剣、聖剣だったの?

 城の宝物庫から、がめてきたのね?」

「人聞きの悪いこと言うなよ。

 宝物庫の宝は、間も無く俺が継承するんだから、

 別に問題ないだろ?」

「聖剣って勇者に貸与するものでしょ?

 貴方が使って良いの?」

「良いんだよ。今は、うちの国には勇者はいないんだから」

「そうか……聖剣にはレベルがあるんだったわね?

 貴方のその聖剣もレベル上がった?」

「俺が対峙してるのは、悪魔じゃなく雑魚の魔物だぞ?

 そんな簡単にレベル上がる訳ないだろ……

 多分だけど……」

「多分って何?」

「俺には、剣のレベルが幾つかなんて分からないからな?

 だいぶ前だが鑑定したら、聖剣のレベルは80だったんだよ。

 そもそもお前はどうやってレベルを確認しているんだ?」

「見れば分かるわよ?」

「マジか? じゃあ、こいつを見てくれよ」

「ウソウソ……見たって分からないわ。

 アカシックが教えてくれるの。

 〝レベルが上がりました。

 ただいまのレベルは80です〟ってね」

「そうなのか?アカシック……

 そんじゃあ、この剣のレベル分かるか?

 分かるんだったら教えてくれないか?」

「ええ、勿論かまいませんよ。

 え~と……あらら?

 それは既に100に達していますね。

 すごい剣ですよ、それ。

 昔の勇者の何人かに受け継がれて、

 使われてきた物ですね」

「マジか?レベル100?いつの間に?」

「マックス王子は雑魚と仰っていましたが、

 ここの魔物はどれも中級以上ですよ?

 しかも、低位な悪魔とは言え、

 悪魔の憑依していたものがほとんどですから……

 しかも倒した数はマックス王子の方が、

 遥かに多かったですし、

 エルフィナ様のレイピアと、

 同じ位レベルアップしたんでしょう」

「それにしても、

 最後の方はなかなか、

 レベルが上がりにくいって聞いたが……」

「レベル100?え~~悔しい!

 マックス貴方もう戦わなくていいわ。

 ここで休んでなさいよ。

 私ちょっと行って戦ってくる」

「ま、待てよ……こんなところに1人置いてくなよ」

「身体に結界貼ってるんだから、大丈夫でしょ?」

「それはそうなんだろうけど……

 こんな迷宮に中で1人……勘弁してくれよ……」

「あ~もう!分かったわよ……

 スカイとチッチはここにいて」

「お前も1人じゃ危……あ、行っちまった……」

「心配するなよ。お嬢は、いざとなれば、

 魔法も使えるのだから大丈夫であろうよ」


 ーーーー


「よっしゃ~♡これでレベル99!

 この扉の向こうのボスを倒せば、

 きっと100になるわね?」


 躊躇なく、ボス部屋の扉に手をかけるエルフィナ。

 重々しい感触とともに、

 巨大な扉はゆっくりと開いた。


 〝ギィィィィ~~~~……〟

 耳障りな音を立てて、

 開いた先に広がっていたのは、

 湿気と腐臭がまとわりつく、

 薄暗い大広間だった。

 空気は淀み、肌に張り付くように重い。

 床のあちこちには粘ついた液体がこびり付き、

 天井からは、糸を引くようなものが垂れている。


「き……貴様は……何なのだ……なぜ我らを……」

 低く濁った声に、

 エルフィナは思わず顔をしかめた。


 そこに居たのは、巨大な蟻とも、

 鎌を持ったカマキリともつかない異形の魔物だった。

 外殻はぬらぬらと黒く光り、

 複眼はびっしりと不気味に並び、

 口元からは粘つく液が糸を引いて滴っている。


「うっ……大きな蟻?

 いえ……手が刃になってるからカマキリ?

 うえ〜〜……私、虫……苦手なのよね……

 貴方、一体、何に憑依してるの?」

「き……貴様は……何なのだ……

 なぜ我らを……」

「また同じこと言ってる……

 壊れちゃってるのかしら?」

「……どうやって我ら悪魔族の命を奪っているのだ……」

 このカマキリ悪魔……その声には、

 怒りよりも、はっきりと怯えが滲んでいた。


「私が戦ってるの見ていたの?

 見ての通りよ?

 普通に剣で倒しているのだけど……」

「我ら悪魔族が死ぬ事はない……

 ましてや剣などでは……

 どうなっている?何故だ……」

「??震えているの?怯えている?もしかして私に?」

「クッ……死ね~~!」

 手の刃を振り(かざ)し、ありえない速さで、

 エルフィナに襲いかかるカマキリ悪魔。

 〝ブンッ!〝

 だが、その一撃が届く頃には、

 そこにエルフィナの姿はもうない。

「こっちよ?」

 背後を取ったエルフィナが、一閃。

 〝ザシュッ!!〟

 肩から脇腹にかけて、深々と裂け目が走る。

「うわっ……キモい!緑の血が吹き出した」

 だが、その傷はすぐさま(うごめ)くように塞がっていった。

「き、貴様……何者なんだ?」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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