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第39話  あ!!それだ!

オークそっくりと蔑まれていた少女エルフィナ。

その正体は、特別な力を持つ女神の生まれ変わりだった。

神々が道を外れた時――

世界は一人の少女を呼び覚ます。

「えっ?リッチッチの迷宮って――

 女神様が創ったの?」

「いえ……正確には〝創った〟というより――」

 リッチッチが静かに首を振る。

「〝直した〟が近いかと」

「直した?」

「そもそも、この世界に存在する“七つの未到の迷宮”は――

 すべて、創造神様によって造られたものなのです」

「創造神様……」

 エルフィナが少し考える。

「この前、声を聞いた……あの神様?

 あの声は創造神様でしょ?」

「〝あの声〟が何か存じませんが……

 この迷宮は少し色々ありまして……」

「どゆ事?」

「今から約16年前――」

 空気が少し重くなる。

「まるで大きな隕石でも落ちてきたのかと、

 思うほどの勢いで、

 ジュリアナと言う女神様が落ちてきました。

 その衝撃で、この迷宮は、

 20層辺りまで吹き飛んでしまいました」

「女神様が落ちてくるなんて事あるの?

 でも、その爆発の事は聞いたことあるわ。

 この辺で謎の大爆発があったのよね?

 でも奇跡的に迷宮は無傷だったんじゃなかった?」

「いえ、無事どころか、壊滅状態でした」

 きっぱり否定する。

「じゃあなんで無傷だったと言われているの?」

「半径30kmが、その爆発でドロドロに溶け、灼熱地獄。

 人が暫く近づける状態ではなかったのです。

 人が近づける様になったのは半年近く経った後でした。

 その間、ここがどうなっているか、分からず。

 ようやく近づけるかと言う頃に、

 その女神様がやってきてここを修復したので、

 世間は、奇跡的に無傷だったと思ったのでしょうね」

「その女神様も無事だったって事よね?

 さすがは神様ね」

「でもその時は……」

 少し間を置く。

「流石の女神様も指一本動かせない程、

 弱っておりましたよ?」

「でも、死ななかった……

 神だから死ぬことはないのかしらね?」

「そこは分かりませんが、

 直ぐにアストラルという別の神が現れ、

 女神様を抱き抱えて去って行きました」

「ふ~ん……で、復活した女神様が、

 半年後にここを修復しに戻ったと?

 リッチッチ、貴方よく無事だったわね?」

「ここは40層の最下部ですから……

 でも、壁も天井も崩れてきて危なかったですよ」

「女神様様か……本当に神様っているのね。

 貴方会ったんでしょ?」

「え?」

 リッチッチが驚く。

「我が君は、神にお会いした事がないのですか?」

「ないわよ?この前、声を聞いただけ。

 会った事のある人間なんているのかしら?

 会ったって言う人も居るけど、

 信憑性を疑うのが多いいしね」

「ん?そうなのか?」

 スカイがぽつり。

「我は2度お会いした事があるぞ?

 そ言えば2度目にお会いしたのは、

 女神様が落ちてきたと言う16年前だったな。

 何んでも、迷宮の地下深くに、

 何かを設置するとか何とか……

 その前はかなり昔に……あ!!それだ!」

「どれだ?!」

「ジュリアナと言う女神様だよ!」

「知ってるの?」

「ああ、思い出した。

 最初にお会いした時は、ずいぶん昔のことだった。

 我の迷宮を造られた、

 創造神様が迷宮の様子を見にこられた時に、

 その女神様を連れていたんだ」

「へ~そうなんだ」

「へ~ではない!」

「何よ?」

「お嬢の描いたあの絵の女性……

 以前、会った事ある気がするって言っただろ?」

「まさか……」

「あの絵の女性、あれはその女神様そのものだぞ?」

「あ!!それだ!」

「どれだ?!」

「真似すんな!ってあれよ?

 あの絵の人……ジュリアって名前だった。

 旦那さんはアストラ……

 どっちも、すごく似た名前でしょ?

 偶然なんて事ないわよね?

 あの人達神様だったの?」

「それはあり得ますね?」

 アカシックが淡々と答える。

「私のデーターに神の記憶はありません。

 だとすれば、あの2人のデーターが、

 私にない事の理由が分かります」

「あの人達の友人知人の記憶の情報は?」

「不思議なことに、

 接触した者の記憶もほとんど無いですね。

 エルフィナ様の認識阻害魔法の様なものが、

 使われているかもしれません」

「何の為にそんな事をするのかしら?」

「分かりません……

 あの女性は、やはり女神様なんでしょう……」

「でも私、あの女性と不思議な場所で、

 楽しそうにおしゃべりしてる夢見てるんだけど……

 とても唯の夢とは思えないわ。

 前世の記憶とかなのかしら?」

「それが……」

「それが?何?」

「………………」

 アカシックが言い淀む。

「どうしたの?言ってみて」

「……エルフィナ様の、

 前世の記録がどこにも存在しません……

 私のデーター上に、

 貴方という存在は――

 一切存在していないのです」

「私の前世が無い?人じゃ無かったって事?

 ま、まさか……オークだったとか……」

「………………こいつのバカが出てきたな……」

「あ゛? 何ですって?」

「いえ……何も……エルフィナ様、

 オークにも知能が有り、意思もありますよ?

 貴方の記録は何処にもないのですよ」

「初めての誕生だったとか?

 それなら前世は無いわよね?

 それとも悪魔の様に、別に分類される何か?」

「貴方のそのお姿は……私の記録にあります……」

「記録に何もないのに、

 姿だけは記録にある?何なのそれ?なぞなぞ?」

「今は確証が持てませんので、

 お答えするのは控えたいと思います」

「あら?勿体ぶるわね?」

「アカシックとしての矜持(きょうじ)……ご理解下さい」

「はいはい……分かりましたよ。

 言える時が来たら話してね」

数ある作品の中から見つけ出し、お読みいただき、ありがとうございます。

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