第34話 いきなりSSS級?
オークそっくりと蔑まれていた少女エルフィナ。
その正体は、特別な力を持つ女神の生まれ変わりだった。
神々が道を外れた時――
世界は一人の少女を呼び覚ます。
「あっ……貴方様は……」
ギルドマスターの顔が、驚愕に染まる。
「貴方が、ギルドマスター?
私を知ってらっしゃるのですか?」
「は、はい」
慌てて背筋を伸ばす。
「エルフィナ様ですよね?
そ、それでしたら納得です。
ぜひ倉庫の測定魔石で、測ってみて下さい。
私も、大変興味が……貴方様の魔力量を、
この目で確かめてみたいです」
「どこかでお会いしましたでしょうか?
申し訳ないのですが、私、覚えていなくて……」
「いえ、とんでもない……!」
深く頭を下げる。
「恥ずかしながら、私も貴族の端くれでして……
先日の玉座の間に、私も呼ばれておりました」
「ああ……そうでしたか」
「ギルドマスター」
エルフィナが少しだけ不安そうに言う。
「私は、まだ魔力の制御が上手くなくて…………
魔石を破壊してしまったらどうしましょう……
大切な物ですよね?」
「……いえ」
一瞬言葉に詰まり――苦笑する。
「流石に〝これ〟が壊れるのは……
想定しておりませんが……」
「ですが――」
ふと、思いついたように。
「エルフィナ様は、心で思うだけで、
その通りにする魔法が発動できるとか?」
「え、えっと……」
目を逸らす。
「すみません。出来ない時の方が、断然多いいです……
正直、全くコントロール出来ていません……」
「それでもかまいません」
静かに言う。
「万が一破壊したら、元に戻れと念じて下さい。
それで戻らなければ……
その時は、その時です」」
「そうだ!」
ぽん、と手を打つ。
「前に絶対壊れないでって願ったら、
何をしても割れないコップができたっけ?
一度出来たことは、出来るんです。
それでやってみます」
手のひらを、1mもあろうかという、
水晶の球に良く似た魔石にかざす。
〝――ゴォォォォォッ!!〟
眩い光が爆発する。
「ぐわぁぁ!!眩しっ……!」
「私も目が……開けられない……!」
受付嬢のジェシカが腰を抜かす。
「な、なんという魔力量だ……!!」
「……これくらいでいいですか?」
「じゅ、十分です!!
お止めください!!」
「エルフィナ様、この光、止められませんか?」
「え~と……」
少し考える。
「以前加減しながら測定したときは……
これ多分、丸一日位は、光っていると思いますよ?」
「エルフィナ様は、目、大丈夫なのですか?」
「はい。ちょっと眩しいくらいです
……この魔石……
光を通さない結界で覆いましょうか?
結界魔法は得意中の得意です」
「……」
一瞬、言葉を失うギルドマスター。
「それが可能でしたら……お願い致します!」
ーー
「……ジェシカ?」
隣を見ると、受付嬢がぐったりしている。
「魔力酔いか……無理もない」
ため息をつく。
「エルフィナ様、
最大魔力の攻撃魔法は打てますか?」
「はい!」
ぱっと明るくなる。
「今までは、何千回やっても
ファイヤーすら出なかったんですけど――
先日、夜遅くなり、
急いで花壇を突っ切って帰っていた時、
Gが、私めがけて飛んできまして……
私、虫苦手で……それでパニクリ、
無意識に夜空に最大の炎系攻撃魔法を打ってました」
「……は?」
「大爆発を起こして、
朝まで空の光が消えませんでしたね……」
「……」
ギルドマスター、完全に固まる。
「……数日前の……大轟音と共に突然の白夜……
あれはエルフィナ様だったのですか?」
「……突然の白夜?」
にこっと笑う。
「どうなんでしょう?
私のあれが、騒ぎになっていたのでしょうか?」
「でしょうね……他には思い当たりませんから……
白夜の謎が解けた様ですね?
分かりました。
あれがエルフィナ様の魔法だったとすれば……」
ギルマスが姿勢を正す。
「異例中の異例ですが――
エルフィナ様の冒険者ランクはーー
SSS級と判断いたします」
「いきなりSSSですか?」
「迷宮に潜る時、
冒険者登録していないと入れない所があるから、
登録しておいた方が、良いと言われて来たので、
階級は何でも構わないのですが……
お恥ずかしい話、
まだ小さなファイヤーは出せないんですよ?」
「エルフィナ様が迷宮……というのは、
何か事情がおありの事と存じます。
階級が低いと入れない迷宮もございますので、
SSSの冒険者カードをお持ちいただいた方が、
よろしいかと思います。
他国で動くには、尚更、勝手が良いかと……」
「そうですか。ご配慮頂き、ありがとうございます。
ただ、出来ましたら、
この件、あまり公にしないで頂けると……」
「承知致しました。
本来S級以上は陛下の承認も必要なのですが、
エルフィナ様の場合、
誰からも異議は出ないかと……
陛下には、後で報告を上げておきます」
「ありがとうございます。
私からも、マックス王子に伝えておきますね」
ーーーー
「え~と……
冒険者カードのここに魔力を流すと……
少量の魔力って苦手……
あっ出た出た!私の今いる場所!31……
え!ここもう31層なの?
トラップにかかり、
めっちゃ下まで落ちたってことか~
痛かったけど、怪我してないって事は、
結界魔法、一応効いてたって事かしら?」
「何奴!」
低く、重い声。
「ここに人が?
人間がここに足を踏み入れるのは、
初めてではないか……」
「キャッ!、顔デカッ!」
「馬鹿者!!」
怒号が響く。
「顔がでかいのではなく、身体全部が大きいのだ!
バランスの崩れた、〝顔面肥大野郎〟の様に言うでない」
「身体が大きい……ああ、なるほど」
じっと観察する。
「大きいトカゲ、ってことね?」
「違うわぁぁ!!
この精悍な姿……トカゲの訳あるかい!」
「あ、分かった!ワイバーンね!」
「ブッブ~!違います~
さては……お前馬鹿だな?」
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