第17話 アリ
日は完全に落ち、月が僅かな灯りを運ぶ。
彼女がエンシェントサーペントへ向かって行く。
35歳の姿だが、20歳の女性が巨大な蛇へ立ち向かう。
異常な光景。
彼女の何がそうさせるのか。
命懸けで魔法を使い過ぎてアドレナリンが可笑しな事になっているのだろうか。
しかし、俺達に残された時間がもう無いのも事実。
防御や攻撃のステータスが上がっていても、体力がついて行かない。
もう走るのも正直辛い。
――『道着アーマー!ドラゴンモード!』
――俺の目の前に光り輝く#戦乙女w__ヴァルキリー__#が降臨する。
手に持つは金のナックル。
彼女は武器を得ている。
黒の道着は白となり、普通の柔道着ぽくなってしまったがそれはそれでいいのだろ。
だが変化はそれだけにとどまらない。
彼女の道着の中のシャツぽい物が無くなっているではないか。
男の姿の時でもシャツは着ていたし、俺が誤って彼女の懐に手を入れてしまった際もシャツはあった。
だがどうだ。風に巻かれはためくその道着の中身は。
あれは完全に道着の中にシャツを着ていない肌の露出。
胸元が見え隠れするその妙技。
この時ほど何故俺はカメラを捨ててしまったのだと後悔した事はない。
だから私はこう感じずにいられなかった。
シャツ無し道着の玉木陽子、35歳。これは欲情してしまう程に「アリ」だなと。




