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The-Dragons  作者: イグアナ


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48/54

圧倒

 同時攻撃。


 それが、通じるはずだった。


 龍が踏み込む。


 かんたが側面から入る。


 幸人が撃つ。


 だが――


 遅い。


 悪魔の糸が、先に動く。


 人形が滑り込む。


 完全に、防がれる。


「……っ!」


 龍が斬る。


 人形が砕ける。


 だが、その隙。


 別の人形が、背後から来る。


「後ろだ!」


 間に合わない。


 衝撃。


 龍の身体が弾かれる。


 地面に叩きつけられる。


「ぐっ……!」


 呼吸が止まる。


 立てない。


 その間にも。


 かんたが突っ込む。


「まだだ!」


 拳を振る。


 人形を吹き飛ばす。


 だが――


 糸が絡む。


「っ!?」


 腕を取られる。


 引かれる。


 無理やり引き寄せられる。


 次の瞬間。


 別の人形が叩き込む。


 直撃。


「……っは!」


 吹き飛ぶ。


 転がる。


 止まらない。


 幸人が矢を放つ。


 連続で。


 だが――


 全部、弾かれる。


 人形が割り込む。


 角度を変える。


 だが、無駄。


「……読まれてる」


 幸人が言う。


 その瞬間。


 空気が切れる。


 横から、人形。


 見えない角度。


 回避が遅れる。


 肩に直撃。


 弓が落ちる。


「……っ!」


 体勢が崩れる。


 次が来る。


 龍が無理やり立つ。


 割り込む。


 斬る。


 だが――


 遅い。


 人形が、さらに来る。


 三方向。


 同時。


 受けきれない。


 全員、吹き飛ぶ。


 地面に倒れる。


 動けない。


「……くそ……」


 かんたが言う。


 立てない。


 身体が重い。


 龍も同じだった。


 剣を握る手が、震える。


 幸人は、起き上がれない。


 悪魔は、上にいる。


 何も変わっていない。


 無傷。


 ただ見ている。


 糸が、ゆっくり動く。


 次を準備している。


「……勝てねえ」


 かんたが言う。


 誰も否定しない。


 事実だった。


 そのとき。


 龍が、ゆっくり顔を上げる。


「……いや」


 低く言う。


「違う」


 息を整える。


 視線は、上。


 悪魔ではない。


 その“糸”を見る。


「……見えてる」


 幸人が、かすかに言う。


 かんたが眉をひそめる。


「何がだよ……」


 龍が答える。


「弱点だ」


 悪魔は、まだ余裕だ。


 だが――


 三人は、まだ終わっていなかった。

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