狩り
三日目の朝。
空気が変わっていた。
「行くぞ」
龍の一言。
誰も迷わない。
高台を降りる。
泥の上。
だが、もう足は止まらない。
「……まずは数だな」
幸人が言う。
「ああ」
龍が答える。
「弱くてもいい。
数をこなす」
かんたが拳を握る。
「やっと戦闘か」
密林の奥へ進む。
すぐに気配がある。
原生種。
「来るぞ」
龍が構える。
三体。
距離を詰めてくる。
以前なら厄介だった数。
だが――
「遅いな」
龍が踏み込む。
一体、即座に斬る。
間を置かない。
次。
幸人の矢。
正確に喉を貫く。
三体目。
かんたが突っ込む。
「うおらぁ!」
拳。
体勢を崩す。
龍が追撃。
終わる。
「……終わりか」
かんたが息を吐く。
「こんなもんだな」
幸人が言う。
だが、休まない。
進む。
次。
また気配。
今度は五体。
「囲まれるぞ」
「関係ねえ」
龍が言う。
配置が変わる。
三人、自然に分かれる。
龍が前。
幸人が後方。
かんたが側面。
動きが合う。
言葉はいらない。
かんたが一体を引きつける。
幸人が撃つ。
龍が斬る。
流れが止まらない。
数分後。
全て、倒れていた。
「……慣れてきたな」
かんたが言う。
「当たり前だ」
龍が答える。
足を止めない。
さらに進む。
次は七体。
さらに次は、もっと。
終わらない。
だが――
崩れない。
連携が、完成し始めている。
夜。
三人は立ったままだった。
「……まだやるか」
かんたが言う。
「やる」
龍が答える。
短い言葉。
それで十分だった。
戦いは、繰り返される。
数をこなす。
身体に刻む。
勝つために。
その先にあるもののために。




