表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
The-Dragons  作者: イグアナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/54

最下層

 龍は、通路を抜けた。


 同時に、開けた空間に出る。


 そこに――


「……やっとか」


 幸人がいた。


 少し遅れて、別の通路からかんたも出てくる。


「……合流できたな」


 三人、揃う。


 それだけで、空気が変わる。


「……まだ終わってない」


 龍が言う。


 視線は、奥。


 さらに下へ続く階段。


「行くぞ」


 全員が進む。


 階段は長い。


 湿っている。


 空気が重くなる。


 やがて――


 最下層に辿り着く。


 広い。


 だが、地面が違う。


「……泥か」


 かんたが足を踏み入れる。


 沈む。


 重い。


 動きが鈍る。


「最悪だな」


 幸人が言う。


 そのとき。


 泥が、動いた。


「……来る」


 龍が構える。


 地面が盛り上がる。


 形ができる。


 そして――


 頭の奥に落ちる。


 ――泥のドラゴン。


「唯一種だ」


 龍が言う。


 泥の塊のような身体。


 崩れながら、形を保っている。


 次の瞬間。


 泥が飛ぶ。


 弾のように。


「散れ!」


 龍が叫ぶ。


 避ける。


 だが、足場が悪い。


「くそっ、動きにくい!」


 かんたが叫ぶ。


 泥のドラゴンが踏み込む。


 斬る。


 崩れる。


 だが、すぐに戻る。


「効いてねえ!」


「違う」


 幸人が言う。


「泥そのものを斬ってるだけだ」


 龍は目を細める。


「……中だな」


 核がある。


 そこを潰さないと終わらない。


 泥が、再び動く。


 今度は足元。


 掴む。


「っ……!」


 かんたの足が沈む。


 抜けない。


 泥が持ち上がる。


 飲み込もうとする。


 幸人の矢。


 顔を崩す。


 一瞬の隙。


 龍が突っ込む。


 深く。


 泥の中心へ。


 抵抗。


 だが、ある。


 確かな硬さ。


「……ここだ」


 剣を押し込む。


 貫く。


 その瞬間。


 泥の動きが止まる。


 崩れる。


 全身が落ちる。


 ただの泥に戻る。


 静寂。


「……終わりか」


 龍が剣を抜く。


 泥の中に、結晶が残る。


 幸人がそれを拾う。


「……これか」


 少しだけ見つめる。


 そして、左手首に押し当てる。


 沈む。


 体内へ。


 一瞬。


 情報が流れ込む。


「……なるほどな」


 幸人が言う。


「どうだ」


 龍が聞く。


「泥があれば、動かせる」


 短い答え。


「生み出すことはできない。

 だが、あるものは自由に動かせる」


 幸人は足元の泥に手をかざす。


 ゆっくりと、泥が動く。


 持ち上がる。


 形を変える。


「……マジか」


 かんたが呟く。


「範囲は?」


「広くはない。

 だが、戦うには十分だ」


 泥が、元に戻る。


 幸人は手を下ろす。


「……使い方次第だな」


 龍が頷く。


「戦い方が変わる」


 遺跡は、終わった。


 だが――


 ここから先が、本番だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ