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The-Dragons  作者: イグアナ


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39/54

内部

 遺跡の中は、静かだった。


 外の音は、完全に消えている。


 湿っているが、泥はない。


 床は石。


 踏みしめるたびに、軽く響く。


「……さっきよりはマシだな」


 かんたが言う。


「油断するな」


 龍が即座に返す。


 壁には、削られた跡がある。


 人工的だ。


 だが、古い。


「人が作ったのか?」


「分からん」


 力嶽が答える。


「だが、残っている以上――」


 そのとき。


 龍の足が、止まる。


「……下、見るな」


 遅い。


 かんたが一歩踏み出す。


 “カチッ”


 軽い音。


「……あ」


 次の瞬間。


 床の一部が沈む。


 左右の壁が開く。


「伏せろ!」


 龍が叫ぶ。


 槍のようなものが飛び出す。


 一直線。


 空気を切る音。


 かんたの横をかすめる。


「っぶねぇ!!」


 すぐに止まる。


 罠は、それ以上続かない。


「……一回だけか」


 幸人が言う。


「踏んだ場所だけ反応する」


 龍は床を見る。


 石の色が、わずかに違う。


「……見分けられるな」


「早く言えよ!」


 かんたが怒鳴る。


「今気づいた」


 短い返答。


 進む。


 床を見る。


 色の違い。


 わずかな隙間。


 踏まない。


 避ける。


 だが、全部は避けきれない。


 幸人がわざと踏む。


 罠を発動させる。


 槍が出る。


 止まる。


「これで安全になる」


「なるほどな」


 かんたが頷く。


 少しずつ、進む。


 通路が曲がる。


 視界が狭くなる。


 そのとき。


 頭上から音。


「上だ!」


 龍が叫ぶ。


 石が落ちる。


 崩れる。


 押し潰す形。


 全員が散る。


 ギリギリで避ける。


「上にもあるのかよ!」


「全部だな」


 力嶽が言う。


 前。


 横。


 上。


 どこでも来る。


 だが――


「規則がある」


 幸人が言う。


「発動は一回。

 範囲は決まってる」


「なら」


 龍が前に出る。


「潰して進む」


 わざと踏む。


 罠を出す。


 止まる。


 進む。


 繰り返し。


 時間はかかる。


 だが、安全は上がる。


 やがて――


 通路が開ける。


 広い空間。


 天井が高い。


「……ここは」


 かんたが呟く。


 中央に、何かがある。


 台。


 石でできた台。


 何も乗っていない。


 だが――


 空気が違う。


「……まだ終わってないな」


 龍が言う。


 全員が止まる。


 罠とは別の、何か。


 この先に、ある。

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