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The-Dragons  作者: イグアナ


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38/54

密林

 対岸の先は、すぐに変わった。


 乾いている。


 地面が、砂に変わる。


「……砂漠か」


 龍が言う。


 見渡す限り、何もない。


 影もない。


 熱が、じわじわと上がる。


「……ここ、行くのか?」


 かんたが顔をしかめる。


「いや」


 力嶽が首を振る。


「水も少ない。

 長く持たん」


「迂回する」


 龍が言う。


 砂漠の縁をなぞるように進む。


 時間はかかる。


 だが、確実だ。


 やがて、景色がまた変わる。


 緑。


 密集した木。


「……ジャングルかよ」


 かんたが呟く。


 中は暗い。


 湿っている。


 だが、水はある。


「入る」


 龍が言う。


 全員が踏み込む。


 すぐに分かった。


 地面が、重い。


「……泥だらけだな」


 幸人が言う。


 一歩進むごとに、足が沈む。


 動きが鈍る。


 音も出る。


「最悪だなこれ」


 かんたが言う。


 そのときだった。


 ――音。


 風を切る音。


「伏せろ!」


 龍が叫ぶ。


 次の瞬間。


 石が飛んできた。


 横をかすめる。


 木に当たる。


 砕ける。


「……っ、来たぞ!」


 かんたが叫ぶ。


 さらに来る。


 岩。


 石。


 方向がバラバラだ。


「盗賊か!?」


「違う」


 幸人が言う。


「気配がない」


 確かに。


 人の気配がない。


 だが、攻撃は続く。


 龍は周囲を見る。


 木の間。


 影。


 そして――


「……あれか」


 前方に、何かが見えた。


 石の構造物。


 崩れているが、形は残っている。


「遺跡だな」


 力嶽が言う。


 次の瞬間。


 足元が、わずかに沈む。


「止まれ!」


 龍が叫ぶ。


 遅い。


 踏んでいる。


 直後、

 横から岩が飛ぶ。


 罠だ。


「……踏んだら発動するタイプか」


 幸人が言う。


「しかも範囲広いな」


 かんたが顔をしかめる。


 遺跡の周囲一帯が、

 罠の範囲になっている。


「……入るか」


 龍が言う。


「外からじゃ進めねえ」


 力嶽が頷く。


「中の方が安全な可能性がある」


「可能性って」


「外は確実に危険だ」


 それで十分だった。


 踏む位置を選ぶ。


 慎重に。


 一歩ずつ進む。


 それでも、発動する。


 石が飛ぶ。


 避ける。


 受ける。


 進む。


 やがて――


 入口に辿り着く。


 暗い。


 内部は見えない。


「……行くぞ」


 龍が言う。


 誰も止めない。


 そのまま、中へ踏み込む。


 外の音が消える。


 湿った空気。


 冷たい石。


 そして――


 静けさ。


 遺跡の中は、

 別の危険を抱えていた。

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