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第13話 入学案内は、逃げ道を塞ぐ

 封筒を開けた瞬間、未来が少しだけ近づいた気がした。


 王立アルディシア学園から届いた入学案内は、白く、厚く、妙に重かった。金の封蝋はすでに割れているのに、そこに押された学園の紋章はまだ指先に残っているような気がする。剣と月桂樹、そして古い王冠。貴族の子女であれば、誰もが一度は憧れる学び舎の象徴だ。


 普通なら、胸を躍らせる場面なのだと思う。


 十六歳。学園入学。新しい友人、新しい授業、新しい社交。これから始まる日々に期待して、ドレスや制服を選び、寮の部屋を想像し、入学式で誰と挨拶を交わすかを考える。貴族令嬢としては、そうあるべきなのだろう。


 けれどミト・ローゼンクランツの胸に最初に浮かんだのは、ときめきではなかった。


(来てしまいましたわ……)


 ゲーム開始まで、あと三か月。


 その言葉が、頭の中で静かに鳴った。


 乙女ゲーム『偽りのヒロインと真実の恋』。通称『偽ヒロ』。学園を舞台に、平民出身の特待生リリア・フェルナが攻略対象たちと出会い、恋と真実を見つけていく物語。


 本来なら、ミトはその中心に立つ存在ではない。第一王子レオンハルトの婚約者であり、公爵令嬢であり、王家の剣と盾と称されるローゼンクランツ家の娘。肩書きだけ見れば重要人物ではあるけれど、ゲームの主役ではない。少なくとも、ミトはそう思っていた。


 けれど現実は、ゲームの筋書きから少しずつずれている。


 レオンハルトは最初から近い。近すぎる。

 兄エヴァルドは優しい。優しすぎる。

 カイルは距離が楽なのに、時々まっすぐ核心を突いてくる。

 そして、まだ出会っていないはずの攻略対象たちも、この先学園で揃っていく。


 その中心に、ヒロインであるリリアが現れる。


 ミトは案内状を見つめたまま、ゆっくり息を吐いた。


「……逃げられませんわね」


 ぽつりと呟いた声は、自分で思ったよりも小さかった。


 隣でエヴァルドが静かに微笑む。


「逃げる予定だったの?」


「可能なら」


「学園から?」


「運命からですわ」


「大きいね」


「ええ。とても」


 兄の返しが穏やかすぎて、ミトは少しだけ困った。普通ならもう少し驚くところではないだろうか。運命から逃げたいと言っている妹に対して「大きいね」で済ませる兄は、優しいのか、慣れているのか、少しおかしいのか。


 たぶん全部だ。


 エヴァルドはミトの手元にある案内状へ視線を落とした。


「まずは確認しようか」


「はい」


 書類は何枚も入っていた。入学式の日程、制服採寸の案内、寮の希望申請、履修科目の基礎案内、魔術適性確認、剣術訓練の希望届、社交実習の年間予定。それに加えて、王族や高位貴族の子女に向けた特別な注意事項まである。


 読むだけで、少し眩暈がした。


(多いですわ)


 紙が多い。項目が多い。未来が多い。


 そして、そのどれもが選択を迫ってくる。


 寮か通学か。

 魔術をどこまで履修するか。

 剣術訓練を受けるか。

 社交実習の組をどうするか。

 入学式で誰と並ぶか。

 婚約者である第一王子と、どの距離でいるのか。


 学園は自由な場所だと聞いていた。


 けれど自由とは、こんなにも書類が多いものなのか。


「まず寮についてだけど」


 エヴァルドが自然に一枚を取り上げる。


「ミトの場合、通学でも問題はないよ。屋敷から馬車で通える距離だし、体調や安全面を考えても、その方が安定する」


「通学……」


「ただ、学園生活をしっかり経験したいなら、寮も選べる。公爵家の令嬢用の部屋も用意されるはずだし、不便はないと思う」


「寮……」


 ミトは二つの言葉を頭の中で並べた。


 通学なら屋敷に戻れる。安全だ。兄の目が届く。使用人たちもいる。困らない。何もかも整っている。


 寮なら学園に近い。自由は増える。けれど不確定なことも増える。リリアとの接触も、攻略対象たちとの遭遇も、きっと増える。


(どちらも危険ですわ)


 屋敷は安全すぎて逃げられない。

 学園はイベントが起きすぎて逃げられない。


 どこに逃げ道があるのか。


 ミトは真剣に考えた。


「お兄様」


「うん?」


「森で暮らすという選択肢は」


「ないよ」


「即答ですのね」


「即答する内容だからね」


 残念ながら、森ルートは封じられた。


 ミトは軽く肩を落とす。


「では、離島は」


「ないよ」


「山奥の修道院は」


「ないね」


「修行の旅は」


「もっとないね」


 エヴァルドはずっと笑顔だった。


 だが、その笑顔の奥に「逃がさない」という意思が見える気がする。いや、気のせいではない。これは兄の優しさの形をした封鎖だ。


(逃げ道が、書類に載っていませんわ)


 学園案内なのだから当然ではある。


 それでも、もう少しどうにかならないものか。


 ミトが真剣に書類を見つめていると、エヴァルドが別の紙を差し出した。


「履修科目も選ばないとね」


「履修科目……」


「魔術、剣術、政治史、礼法、古典文学、薬草学、音楽、美術、社交実習。基礎科目は必須だけど、選択科目もいくつかある」


 ミトは少しだけ顔を上げた。


 選択科目。


 その響きに、胸がわずかに反応する。


 自分で選ぶ。


 木苺のタルトを選んだときの感覚が蘇る。あれは小さな選択だった。けれど、ちゃんと自分で選んだ。今度は科目だ。タルトよりずっと大きい。将来にも関わる。学園生活の過ごし方にも関わる。


 つまり。


(これは、タルトより難しいですわ)


 当然である。


 だが、逃げてはいけない気がした。


「私、自分で選びます」


 口にすると、エヴァルドがわずかに瞬きをした。


「もちろん、そのつもりだよ」


「本当ですの?」


「うん。僕は助言するけど、決めるのはミトだ」


 その言葉に、ミトは少しだけ胸を撫で下ろした。


 だが、次の瞬間。


「ただ、君に合う組み合わせはもう考えてある」


 エヴァルドはにこりと笑って、綺麗にまとめられた一枚の予定表を取り出した。


 用意が良すぎた。


「お兄様」


「うん?」


「それは何ですの?」


「おすすめ履修表」


「いつ作りましたの?」


「昨日」


「案内状は今日届きましたわ」


「学園の基本構成は毎年大きく変わらないからね」


 ミトは予定表を見る。字が美しい。項目が整理されている。必須科目、選択科目、休息日、復習時間、社交準備、魔術訓練、剣術練習。どこにも無理がない。完璧だ。完璧すぎる。


 そして、ミトが悩む余地がほとんどない。


(出ましたわ。兄様式・完全整備未来)


 ありがたい。


 とてもありがたい。


 けれど、今は少しだけ悔しい。


「……参考にします」


「うん」


「参考に、です」


「もちろん」


 エヴァルドは微笑んだままだ。


 ミトは予定表を受け取りながら、心の中で小さく拳を握った。


 これは戦いだ。


 悪役令嬢になるための戦いではない。


 自分で選ぶための戦いである。



 昼過ぎ、レオンハルトが来た。


 知らせを聞いた瞬間、ミトは案内状を机の上に置いたまま固まった。


「第一王子殿下がお越しです」


 侍女の声は穏やかだった。


 だがミトにとっては、少しだけ心臓に悪い報告だった。


(なぜこのタイミングでいらっしゃいますの)


 いや、理由は分かる。


 学園案内が届いたからだ。婚約者として、入学前の確認に来るのは自然だ。第一王子としての立場もある。王族と公爵家の距離、入学式の並び、護衛、学園内での振る舞い。確認すべきことは山ほどある。


 分かる。


 分かるけれど、早い。


 ミトがまだ心の準備を終えていない。


「逃げる?」


 エヴァルドが穏やかに聞いた。


「逃げません」


「偉いね」


「逃げたい気持ちはあります」


「正直でいいと思う」


 兄はにこにこしている。


 ミトは深く息を吸った。


 逃げない。


 今日は逃げない。


 逃げるだけでは、もう間に合わない。


 自分で選ぶ練習をするのだ。


 ミトはそう自分に言い聞かせて、応接室へ向かった。


 応接室に入ると、レオンハルトはすでに窓辺に立っていた。銀の髪に午後の光が触れ、淡く輝いている。濃紺の上着には王家の紋章が刺繍され、白い手袋をした指先が静かに窓枠に添えられていた。


 絵になる。


 毎回思うが、本当に絵になる。


 だから困る。


「ミト」


 名を呼ばれただけで、足が止まりそうになる。


 けれど今日は、止まらなかった。


 ミトは淑女らしく一礼する。


「レオンハルト殿下。ごきげんよう」


「ああ」


 レオンハルトはミトを見た。


 その視線はいつも通り静かで、まっすぐで、逃げ道を見つける前に塞いでくる。


「学園案内が届いたと聞いた」


「はい」


「確認する」


 来ると思った。


 やはり来た。


「殿下も、ご確認なさるのですか?」


「ああ。婚約者だからな」


 当然のように言われる。


 婚約者。


 その言葉は、学園が近づくほど重みを増す。今までは屋敷内や家同士の関係として成立していたものが、学園では他者の目に晒される。リリアも、攻略対象たちも、貴族たちもいる場所で。


 ミトは一瞬だけ視線を落とした。


「……距離感についても、考える必要がありますわね」


「距離感?」


「学園では、殿下は第一王子でいらっしゃいます。私は婚約者ですが、あまり近すぎると周囲が気を遣いますし、リリア様……いえ、特待生の方々とも関係が」


 言いながら、自分で危ないと思った。


 まだリリアの名前は出ていない。


 少なくとも、この場で彼女を知っている理由はない。


 ミトは言葉を止める。


 レオンハルトの視線がわずかに鋭くなった。


「リリア?」


 しまった。


 心の中で額を押さえる。


(口が滑りましたわ)


「……案内に、特待生の記載があるのかと思いまして」


「まだ名簿は公表されていない」


「そう、ですのね」


「なぜ知っている」


 短い問い。


 逃げられない。


 ミトは一瞬だけ黙った。ここで前世のゲームの話をするわけにはいかない。だが、完全に嘘をつくのも危険だ。


「噂で、聞いた気がしたのです」


「どこで」


「……夢で?」


「夢は噂ではない」


「そうですわね」


 自分でも苦しいと思った。


 レオンハルトはしばらくミトを見ていた。数秒の沈黙。その沈黙が長く感じられる。


 やがて彼は、追及を止めた。


「分かった」


「分かったのですか?」


「今は、聞かない」


 今は。


 その言葉に、ミトの背筋が少し伸びる。


 レオンハルトは見逃したわけではない。保留にしただけだ。


(怖いですわ)


 優しいのか、鋭いのか。


 たぶん両方だ。


 レオンハルトは机の上に置かれた案内状へ視線を移した。


「履修は決めたか」


「まだです」


「剣術は取るべきだ」


「え?」


「君は剣を扱える。鈍らせる理由がない」


「ですが、令嬢として目立つのでは」


「目立つことを避けたいのか」


「できれば」


「無理だ」


 即答だった。


 ミトは少しだけ眉を寄せる。


「なぜですの?」


「君はローゼンクランツ家の令嬢で、私の婚約者だ。何をしても目立つ」


 正論だった。


 とても嫌な正論だった。


「では、地味に過ごす努力を」


「無駄だ」


「殿下、もう少し希望を持たせてくださいませ」


「根拠のない希望は危険だ」


 レオンハルトらしすぎる。


 ミトは小さく息を吐いた。


「……悪役令嬢として目立つのは避けたいのです」


「まだ言っているのか」


「はい。継続中ですわ」


「成果は?」


「今のところ、ありません」


「だろうな」


 あまりにも淡々と言われて、ミトは少しだけ頬を膨らませた。


「殿下は、私が悪役令嬢に向いていないとお思いですの?」


「ああ」


「即答ですわね」


「悪意がない」


 ミトは言葉に詰まる。


 レオンハルトは続けた。


「君は嫌われようとするが、相手を傷つけることは避ける。悪役令嬢としては不完全だ」


「分析しないでくださいませ」


「必要だ」


「何にですの」


「君を見失わないために」


 その言葉に、胸が跳ねた。


 見失わない。


 レオンハルトは静かに言っただけだ。甘い声ではない。けれど、意味は甘いよりもずっと重い。


 ミトは視線を逸らした。


「……そういうことを、さらりとおっしゃるのは良くありませんわ」


「なぜ」


「心臓に悪いからです」


「体調が悪いのか」


「違います」


 真面目に心配されかけて、ミトは慌てて首を振った。


 なぜこの人は、こういうところだけ天然なのか。


 いや、天然なのかどうかすら分からない。


 もし分かってやっているなら、非常に危険である。



 学園の話は、気づけば制服の話へ移っていた。


 王立アルディシア学園の制服は、男女ともに格式高いことで知られている。男子は濃紺を基調に金糸の刺繍が入り、女子は白と紺を基調に、家格に応じた細かな装飾が許される。ローゼンクランツ家の令嬢であるミトには、薔薇と剣を模した意匠が入る予定だった。


 仕立て師が仮のリボンと飾りを持ってきたのは、ちょうどその話をしているときだった。


「こちらが基本の胸元飾りでございます。髪飾りは、学園規定内であればお選びいただけます」


 いくつかのリボンと髪飾りが並べられる。淡い薔薇色、白、紺、金糸入り、銀糸入り。どれも上品で、迷うには十分すぎる数だった。


 ミトは真剣に見つめる。


(また選択ですわ)


 今日は選んでばかりだ。


 タルトより難しい。科目よりは軽い。けれど、学園で毎日身につけるものとなると、それなりに重要である。


「これなど、ミト様にお似合いかと」


 仕立て師が淡い薔薇色のリボンを差し出す。


 確かに合う。髪色にも合う。家の意匠にも合う。無難で、可愛らしく、令嬢らしい。


 けれどミトの視線は、紺地に小さな金糸が入ったリボンに止まった。


 少し落ち着いている。可愛すぎない。学園の制服にも馴染む。けれど、よく見ると薔薇の刺繍が細かく入っている。


「こちらも……」


 手を伸ばしかけた瞬間、レオンハルトが先にそのリボンを取った。


「これか」


「あ、はい」


「似合う」


 即答だった。


 まだ合わせてもいない。


「早くありません?」


「合う」


「なぜ分かりますの?」


「君が見ていた」


「それは理由になりますの?」


「なる」


 レオンハルトは歩み寄る。


 距離が近い。


 非常に近い。


 ミトが一歩引く前に、彼の手が胸元へ伸びた。


「動くな」


「えっ」


「合わせるだけだ」


 白い手袋をした指先が、ミトの胸元近くにリボンを寄せる。触れてはいない。触れてはいないのに、近い。視界いっぱいにレオンハルトの顔がある。銀の髪が光を受けて揺れ、青い瞳がリボンとミトの顔を順に見ている。


 ミトは息を止めた。


「……問題ない」


 レオンハルトが言う。


「似合っている」


 その一言で、顔に熱が上った。


「そ、そうですか」


「ああ」


「では、これに……」


 言いかけて、ミトは止まる。


 待って。


 今、選んだのは誰だろう。


 自分が見ていた。レオンハルトが取った。似合うと言った。流れとしては自然だ。けれど、それでいいのか。


 ミトはリボンを見た。


 確かに好きだ。


 でも、言わなければ。


「私も、これがいいと思いました」


 小さく、けれどはっきり言う。


 レオンハルトの視線がミトへ戻る。


「そうか」


「はい。殿下が選んだからではなく、私もこれがいいです」


 言ってから、胸が少し鳴った。


 リボンひとつで大げさかもしれない。


 けれど、今のミトにとっては大事だった。


 レオンハルトは数秒だけ黙り、それから少しだけ目を細めた。


「なら、それがいい」


 肯定された。


 ただ似合うからではなく、ミトが選んだから。


 その違いが嬉しかった。


「はい」


 ミトはリボンを受け取る。


 指先が、ほんの少しレオンハルトの手袋に触れた。


 それだけで、また胸が跳ねる。


(これだから、近いのは困りますわ)


 逃げたい。


 けれど、逃げるだけではもう間に合わない。


 そう分かってしまった今、ただ距離を取ることも難しい。



 制服の確認が終わる頃には、机の上には書類とリボンと予定表が綺麗に並べられていた。


 エヴァルドのおすすめ履修表。


 学園からの案内状。


 レオンハルトが似合うと言ったリボン。


 そして、ミトが自分で選ぶと決めたもの。


 それらを見ながら、ミトは少しだけ疲れた息を吐く。


 未来は近づいている。


 逃げ道は少ない。


 けれど、選ぶ余地はゼロではない。


 そのことを、今日は何度も確認した。


「ミト」


 エヴァルドが呼ぶ。


「はい」


「無理をしなくていいからね」


「……はい」


 無理をしなくていい。


 その言葉は優しい。けれど、今は少しだけ違う返事をしたかった。


「でも、少しは自分で考えます」


 エヴァルドは一瞬だけ黙り、それから微笑んだ。


「うん。そうしよう」


 レオンハルトも黙って見ている。


 その視線から逃げずに、ミトは案内状へ手を伸ばした。


 もう一度、書類をめくる。


 入学式の案内。寮の説明。履修科目。学園規則。


 そして、その中の一枚に、目が止まった。


 特待生制度について。


 王立アルディシア学園では、身分を問わず優秀な者を受け入れる制度がある。数は少ないが、毎年数名、平民または下級貴族から選ばれた生徒が入学する。


 そこに、まだ正式名簿はない。


 名前は書かれていない。


 けれどミトには分かっていた。


 リリア・フェルナ。


 本物のヒロイン。


 光属性を持つ、特待生。


 男爵家の養女となり、学園へ入ってくる少女。


 やがて、攻略対象たちと出会う存在。


 ミトの指先が止まる。


「どうした」


 レオンハルトが問う。


「……いえ」


 声が少しだけ乾いた。


 まだ名前はない。


 まだ出会っていない。


 けれど、確実に近づいている。


 リリアが来る。


 ゲームが始まる。


 ミトは書類をそっと閉じた。


(本物のヒロインが、来る)


 逃げるだけでは、もう間に合わない。


 選ばなければならない。


 誰と距離を取るのか。


 誰を信じるのか。


 どこへ進むのか。


 そして、自分はどんな未来を望むのか。


 ミトは胸元のリボンをそっと握った。


 それはまだ仮の飾りだったけれど、今日、自分で選んだものだった。


 物語は近づいている。


 学園入学まで、あと三か月。


 その日が来れば、もうきっと、立ち止まってはいられない。

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