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対峙 続き

こんなことを言いたくはなかった…

自分の口から。

卑怯だ…

でも…


「伯爵は奴らに殺された!冤罪で!なんの抵抗もしなかったのに…あなたが…あなたが、いれば!こんなことにならなかった!」


卑怯だ…あの子のせいみたいな言い方は…

卑怯でもなんでもいい…

あの子を動かせれば…

手に入れられるなら…


「ルーカスも、処刑されたのよ!」


ルーカス…やっぱり…

あ…ルーカス…

エルザはその名を聞きたくはなかった…

あのとき笑ってくれた顔が浮かんだ。

その顔も思い出したくはなかった。

忘れようとしていたはずなのに。

ライフルの銃身を両手で握った。

そして頭を何度も打った。

そして何度もルーカスの名をつぶやいた…

額は真っ赤に腫れ上がった。

やがて血がにじんできた。

彼女の頬は血と涙で濡れていた。

嗚咽が溢れるのを必死で堪えていた。



イルマは大佐やルーカスの最期を見ていない。

伯爵の最期も。

そこにはいなかった。


私はその前に逃げていた…


大佐が逃がしてくれた。

顔の右半分を包帯で巻かれ、足にも銃弾を受けて負傷して横たわっていた彼女に大佐は諭すように話した。


「おまえは俺達のために死ぬことはない…生きてその力を同胞のために使え…そして…もしエルザに会うことがあったら、話してくれ…頼むな…」


大佐はそういうと軽く手を重ねてくれた。

温かかった。

それが最期だった。


どうして大佐が連絡を取れたのかはわからなかったが独立闘争の組織が彼女を連れ出してくれた。

内戦中は半ば自治状態だった同胞の少数民族の居住地域が彼女を匿ってくれた。


大佐の生死はわからない…

だが、処刑された人の名簿にはなかった。

あの大佐のことだ、きっと伯爵を守って最期まで抵抗したに違いない。

私は大佐や伯爵のためにも戦わなければ…

そしてエルザもきっとわかってくれる。

諦めない。


「エルザ!私と来て!一緒に伯爵やルーカスの復讐を!」


復讐…

もう自分に残されているものはそれしかない…

できるならイルマと一緒に復讐したい…

でもここを離れることは想像できなかった。


「イルマ!今ここでなにが起こってるのかわかる?ここを見捨てて行くことなんてできない!あなたは自分の仲間のために戦っているんでしょ!私も同じ!私の戦いはまだ終わらない!あなたと同じように!だから私はここにいる!ここで戦う!戦わなくちゃならない!」





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