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ラブコメs日和  作者: 水無月盈虧


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51/54

51.てんこうせいの好感度が、いつの間にかカンストしてた件②

ちなみに、今回は珍しく、登場人物に名前があります。

 私は、皇鏡華。大企業の社長を父に持つ、いわゆる“令嬢”と呼ばれる立場の人間です。


 4月9日。今日から、私は黎明高校に通うことになりました……いえ、通うことにしたというのが正しいでしょうか。


「よーし、みんな席に着いてるな~。それじゃ、HRを始め……る前に転校生の紹介をする」


 担任の椋林先生の声を合図に、私は教室へと足を踏み入れました。

 そして――見つけました。あの方を。


 ……秀さん。私のこと、覚えているでしょうか。


 軽く会釈し、当たり障りのない自己紹介を終えると、先生が呆れたような声を上げました。


「……ん? もう終わったのか? じゃあ何か鏡華に質問があったら今のうちに聞いてけ~」


 どうやら少し簡潔すぎたらしいです。そんな中、男子生徒のひとりが手を挙げられました。


「鏡華ちゃんは~彼氏とかいるんですか~?」


 その問いに、胸の奥がざわりと震えました。

 もし、秀さんが振り向いてくれなかったら――。

 そんな不安が、喉元までせり上がってきました。


 ……ですが。

 私は既に決めているのです。絶対に、あの方に想いを届けると。


「いませんよ。……でも、好きな人はいます」


 そう答えた瞬間、なぜか秀さんが机に顔を押し付けてしまいました。

 えっ、どうしたんですか? 体調でも……?


 ――はっ!


 ひらめきました。これはむしろチャンスなのでは?

 名付けて……


『心配することによって、あの方と会話をして距離を近づけよう大作戦

 2023年春~淡き恋の色は桜のごと~』


 ……ふふん。我ながら、ネーミングセンスが冴えわたっていますね!


 では、作戦開始です。


 コツ、コツ、コツ――

 秀さんの席の前まで歩いていきます。


 近づくにつれ、何故か秀さんはあたふたし始めました。

 ま、まさか……覚えていてくれたのでは!? ……と思ったのですが。


「え、えっと、きょんにちは!!」


 ……覚えていませんね、これは。

 意外と、人と話すのが苦手なタイプなのかもしれません。もっとクールで落ち着いた人だと思っていたけれど、この様子……なんだか可愛いですね。


 その焦る姿を見ていたら、こちらの方が落ち着いてしまいました。


 ――だから、伝えましょう。


「でも、私はそんなあなたが大好きです」

いつもお読みいただきありがとうございます!!

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