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「ふむ。やはり、実際に見て思ったのだが、イネくんの『祷能』は、武器に留めるにしておいた方がいい。それがこれまでの相棒達との違いだからね」
「道具を使える俺だからこそ、『伸縮自在』を操れてるってことですか」
「そういうことなのだよ」
三角は、病室で横になりながら南部に話す。白いベッドで横になる姿が異様なほど様になっていた。恐らく、これまでに何度も病室にお世話になっているのだろう。
「まあ、朧気な状態で自分の身体が伸びたり縮んだりしたら、誰だって混乱するさ。その混乱が徐々に負荷となって脳を身体を壊していくんだね」
「なるほど……」
「という訳で、これまで通り、『伸縮自在』は武器にのみ使用するようにイネくんに伝えておいてくれ」
「分かりました」
「あー、それでも、私も相棒が欲しいのだよ。そうすれば、力を使うたびに寝込まなくてもいいのにさ」
子供のように口を尖らせる。
「まあ、それでも力を『神鎮隊』に買われてるから、支部を任されているんだけどね!」
「それを自分で言いますか」
「物事は自分で言わないと誰にも気付かれないことが多いよ。自信と意思は人に見せてこそ意味がある」
「そんなもんですか……。それで、真澄はその後、どうなったんですか?」
「知らないよ。私たちは基本的には外の人間とは関わらない。変な情に流される可能性があるからね」
「情……」
「そ。しかも厄介なことに、身近な人間が『神成』になると、何故か周囲でも発生する確率が高い。一応、メンタルケア専門の人間が派遣されるけど、ま、現場で命を奪う私たちには関係のないことだ」
『申回士』は神とだけ戦えばいい。
人が人を助けるのは家族であり友人だけ。
それでも救えずに神になることがあれば――鎮めるだけだよ。
三角は病人とは思えぬ大きな声で言った。
病室にサイレンが響く。
今日もまた、どこかで神が生まれたようだ。




